フランス

ナポレオンが眠る廃兵院アンヴァリッドのドーム教会と軍事博物館

ルイ14世が戦争で負傷した兵士や病にかかった兵士を収容するために建てたパリの旧・軍病院「オテル・デ・ザンヴァリッド」には、現在ナポレオン・ボナパルトの墓があります。

アンヴァリッドの一部は軍事博物館として武具などの軍事品が一般公開されており、ナポレオンの墓と軍事博物館を見てきました。

オテル・デ・ザンヴァリッドの概要

オテル・デ・ザンヴァリッドはフランス語のリエゾンという発音の規則によって、ザンヴァリッドと発音しますが、通称はアンヴァリッドといわれることが多いです。(以下アンヴァリッド)

ではアンヴァリッドの概要について説明します。

ルイ14世が傷病兵の看護を目的としてアンヴァリッドを建てる計画をしたのが1671年のことです。

リベラル・ブリュアンという人が設計を担当し、最初の傷病兵が入ったのが1674年。現在も100人ほどの傷痍軍人が暮らしているのだとか。

アンヴァリッドを構成しているのは、教会と軍事博物館。

教会は聖ルイといわれるルイ9世を祀るために建てられた教会で、現在は兵士の教会とドーム教会に分かれています。

ナポレオンの墓があるドーム教会

アンヴァリッドのドーム教会
黄金色に輝く屋根が特徴的なドーム教会の正面から入ると、中央部分が吹き抜けになっています。

ドーム教会
少しわかりづらいですが、吹き抜け部分を囲むように人が並んでいます。下を覗き込んでいますね。

ドーム教会
見上げると吹き抜けの天井部分はこのような感じ。

ドーム教会
吹き抜けの下を覗き込むと、茶色い大きな石の塊がありました。実はこれがナポレオンの墓です。

ドーム教会
オルレアン朝時代とよばれる1830-1848年頃、ルイ・フィリップ国王によってドーム教会の地下に墓所がつくられ、祭室の中央にこの立派な大理石でできたナポレオンの棺が安置されました。

ドーム教会
豪華絢爛な祭壇の横に階段があり、ナポレオンの墓がある祭室に降りることができます。

祭室に降りる入り口にはナポレオンの遺言「余は、余がかくも愛したフランスの市民に囲まれて、セーヌ川のほとりに憩うことを願う」が刻まれています。

ナポレオンはセント・ヘレナという島で亡くなりましたが、最終的に遺言通りフランス市民に囲まれるように棺が置かれることになってよかったですね。

ちなみにナポレオンは凱旋門をつくるように命じましたが、凱旋門が完成する前に亡くなってしまい、棺で凱旋門を通りました。

凱旋門についての記事はこちら。
エトワール凱旋門からパリの道が放射線状に広がる景色を見るのが好き

ナポレオンの親族やフランスの将軍たちの墓もある

ドーム教会にあるナポレオンの墓
地下でナポレオンの墓を見るとこのような感じ。

ドーム教会にあるナポレオンの墓
上から見たときよりもその大きさがよくわかります。

アンヴァリッドのドーム教会で眠るのはナポレオンだけでなく、中央のナポレオンを囲むようにして、ナポレオンの親族やフランスの将軍たちも祀られています。

ドーム教会にあるテュレンヌの廟
これはルイ14世時代のフランス将軍テュレンヌ。

ドーム教会にあるナポレオンの墓
これはナポレオン2世。ナポレオンの子供ですね。

アンヴァリッドで祀られている人たち

アンヴァリッドに廟(人物を祀るための建物)が置かれているナポレオンの親族やフランスを代表する軍人の名前を整理するとこのようになります。(以下:wikipediaより引用)

  • ナポレオン・ボナパルト (1769 – 1821)
  • ジョゼフ・ボナパルト (1768 – 1844) - ナポレオンの兄
  • ジェローム・ボナパルト (1784 – 1860) - ナポレオンの弟
  • ナポレオン2世 (1811 – 1832) - ナポレオンの子
  • ルージェ・ド・リール (1760 – 1836) – フランスの国歌ラ・マルセイエーズの作者
  • フォッシュ (1851 – 1929) – 第一次世界大戦時のフランスの将軍
  • テュレンヌ (1611- 1675) – ルイ14世時代のフランスの将軍
  • ヴォーバン (1633 – 1707) – ルイ14世時代のフランスの将軍・要塞建築家
  • フィリップ・ルクレール (1902 – 1947) - 第二次大戦時のフランスの将軍

アンヴァリッドの中庭

アンヴァリッドの中庭も少しだけ見ました。

アンヴァリッドの中庭
中庭はガランとしていましたが、かなり広かったです、

アンヴァリッドの中庭にある戦車
中庭を囲む廊には戦車や、

アンヴァリッドの中庭にある大砲
大砲が並べられていました。

軍事博物館に展示されている様々な軍事品

アンヴァリッドの軍事博物館
アンヴァリッドの一角は軍事博物館として一般公開されています。

ここにはフランスだけでなく世界の武具が展示されていて、展示物の数はかなりあります。

軍事博物館の展示品を一部ご紹介します。

アンヴァリッドの軍事博物館に展示されている鎧

アンヴァリッドの軍事博物館に展示されている剣

アンヴァリッドの軍事博物館に展示されている銃

アンヴァリッドの軍事博物館に展示されている弓

アンヴァリッドの軍事博物館に展示されている剣と銃

鎧・剣・銃・弓などたくさん展示されていました。

アンヴァリッドの軍事博物館に展示されている大砲
こんな大砲もありました。

アンヴァリッドはエッフェル塔からも近い

エッフェル塔
パリには有名な観光スポットがたくさんあるので、アンヴァリッドに行く人はけっこう少ないかもしれないのですが、エッフェル塔から歩いて行ける場所にあるので、時間があればぜひ行ってみてほしい場所のひとつです。

メトロ(地下鉄)で行く場合は、8番線La Tour Maubourg駅もしくは13番線Varenne駅が最寄駅となります。

入場料は僕が行ったときは9ユーロでした。(2014年)

夕方に行くと割引があったりもするので、調べて行くといいでしょう。

アンヴァリッドの見所まとめ

一番の見所はやっぱりナポレオン・ボナパルトの墓ですね。まぁただの石棺といえばそうなのですが。

あとは軍事博物館も膨大な数の軍事品が展示されており、同じ武具でも形や装飾が違っていたり、けっこう見応えがあります。

黄金のドーム教会は夜景も綺麗だといわれているので、夜だけ行くというのもありですね。

1 Comment

Leave a Comment