スロベニア

リュブリャナのシンボルが竜になった由来を調べてみた

市章にも使われているリュブリャナドラゴン

スロベニアの首都リュブリャナ。覚えにくそうな名前ですね。

リュブリャニツァ川
町の由来ははっきりわかっていないそうなのですが、有力なのは町を流れるリュブリャニツァ川にちなんでつけられたのではないかと言われています。

リュブリャナのシンボルになっているのがドラゴンです。

リュブリャナの市章にもドラゴンが描かれていたり、お土産屋さんに行けばドラゴンをモチーフにした土産物がたくさんおいてあります。


これはリュブリャナ城の塔です。小さくて少し見にくいですが、旗にはドラゴンが描かれています。

リュブリャナドラゴンが守る「竜の橋」

リュブリャナを流れるリュブリャニツァ川に架かる橋として3つの有名な橋があります。

三本橋
一つ目は三本橋。これまたわかりにくくて申し訳ないのですが、名前の通り3つの小さい橋が並んでいます。

三本橋
真ん中の橋が両側と比べて少し広く車道で、両側の2つの橋は歩行者用として造られたそうです。

二つ目は肉屋の橋。

肉屋の橋という名前がついていますが、ここは恋人に人気の橋で、多くの南京錠がつけられています。

肉屋の橋にあるギリシャ神話の神々の彫刻
橋にはギリシャ神話の神々の彫刻など、少し不気味な感じの像があります。

肉屋の橋にあるギリシャ神話の神々の彫刻
大きいし不気味で、すごい存在感。。なんでこういうものを置いているのかも気になります。

そして三つ目は竜の橋。

竜の橋
町のシンボルであるドラゴンが橋の名前になっています。

二つ目に紹介した肉屋の橋が、1895年に起きたリュブリャナの大地震によって崩壊したため、その代わりに建てらたのがこの竜の橋です。

当時リュブリャナで初の鉄筋コンクリートの橋です。

最初は1901年にフランツ・ヨーゼフ1世の即位40年を祝う意味を込めて祝賀橋と名付けたそうですが、橋の四隅に竜の彫刻で装飾したことからいつの間にか竜の橋と呼ばれるようになったそうです。

竜の橋にある竜の彫刻,リュブリャナのシンボルであるドラゴン
こちらが竜の彫刻。かっこいいですね。

町のシンボルであるドラゴンは、力や勇気、大きさの象徴らしいですが、なぜドラゴンがシンボルになったのでしょうか。

由来はギリシャ神話の英雄イアソンが退治したドラゴン!?

リュブリャナのシンボルがドラゴンになったのはいくつか諸説があります。

そのうちの一つがギリシャ神話に登場する英雄イアソンが退治したドラゴンが由来になっているというものです。

ここからはイアソンがドラゴンを退治するにいたるまでの話を少し。

イアソンの父であり王のアイソーンが亡くなったとき、イアソンはまだ幼かったために叔父であるペリアースという人が王位を継ぎました。

イアソンはケンタウロスの賢者ケイローンに預けられ、幼少期を過ごします。

やがて成人したイアソンは故郷に戻りペリアースに王権の回復を求めます。

そのときペリアースはイアソンだと気づいていなかったのですが、サンダルを片方だけ履いた者に王位を奪われるという神託を受けていたペリアースは驚きます。

王権の回復を求めてきたイアソンが片方しかサンダルを履いていなかったからです。(故郷に戻る途中、川で困っていた老女を背負って川を渡ったときにサンダルが片方流されたそう。さらにこの老女はヘラの化身だったとか。)

王位を奪われることを恐れたペリアースはイアソンに対して、コルキスというところにある伝説の黄金の羊の毛皮を持ち帰ってきたら王位を譲ると、無理難題を突きつけます。

この毛皮は金羊毛といって、ギリシャ神話のなかで秘宝とされる一つ。コルキスの王が所有するもので、眠らないドラゴンによって守られているものでした。

だんだんイアソンとドラゴンが結びついてきましたね。

イアソンはこの難題に挑むため、仲間を連れて行こうと、巨大なアルゴー船を造って乗組員を募集します。

この呼びかけにヘラクレスら50名が集まります。

アルゴー船で冒険するこの一行をアルゴナウタイといいます。アルゴナウタイは色々な冒険を経てなんとかコルキスにたどり着きます。

コルキスの王は金羊毛を渡したくなく、これまた無理難題を突きつけてきます。

しかしラッキーなことにコルキスの王女メーデイアがイアソンに恋をしてしまい、イアソンの手助けをしてくれます。

メーデイアの助けもあって難題をクリアするが、それでも金羊毛を渡そうとしなかったため、無理やり金羊毛を奪い取ります。

その手助けをしたのもメーデイア。金羊毛を守る眠らないドラゴンをメーデイアが魔法で眠らせたんです。

金羊毛を持って故郷に戻ったイアソンでしたが、ペリアースも王位を譲ろうとはしませんでした。

この手助けをしたのもメーデイア。ペリアースの娘たちを騙してペリアースを殺させます。

イアソンとメーデイアはそこにいられなくなり、コリントスという国に逃れます。

そこでコリントスの王がイアソンを気に入り、王女との結婚話を持ちかけ、まんざらでもないイアソンはこの話を受けてしまいます。

これに激怒したのはもちろんメーデイア。

メーデイアはイアソンの一族を根絶やしにします。

おしまい。

ん?調べていてイアソンやコルキスの金羊毛をとりにいくアルゴナウタイの冒険のことはわかりましたが、ドラゴンは?

そもそも今の話だとイアソンはドラゴンを退治していないですし、ドラゴンもメーデイアの魔法であっさり眠らされました。

今回の調べでわかったことはメーデイアが最強で最恐だということ。

リュブリャナのシンボルにドラゴンが使われるようになった理由がまったくわからない。。

色んな諸説があるんだろうなぁと思いますが、すっきりしませんね。

また別の機会に詳しく調べてみたいと思います。

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