仏教国として有名なタイの首都バンコク。
バンコク市内だけでも3000以上の仏教寺院があり、観光としても寺院巡りは欠かせません。
中でも一番敷地面積が広く、一番古い歴史のある寺院が「ワット・ポー」です。
ワット・ポーについて
ワット・ポーは1788年にラーマ1世によって建てられました。
ラーマ1世はバンコクに首都を移したタイ王室の初代王様で、彼によってバンコクを中心に多くの仏教寺院が建てられたんです。
ワットポーの正式名称は「ワット・プラ・チェートゥ・ポン・ラーチャ・ワ・ララーム」。
な、ながい。。
実はタイの国名の正式名称もむちゃくちゃ長いのですが(長すぎて書くのが大変なので書きません)、名前が長くて複雑な方が箔がついてありがたみが増すという考えがあるみたいです。
ワット・ポーは医学や芸術の学問所としても知られ、タイ古式マッサージの総本山とも言われています。
さらにタイで最初の大学が置かれたところでもあります。
ワット・ポーの敷地内にはタイ古式マッサージの学校があって、そこで学んでいる学生のタイ古式マッサージを体験するのが外国人観光客に人気。
僕が行ったときは閉まっていて残念ながら体験できませんでした。
ワット・ポーで有名なのは古式マッサージだけではありません。
もう一つぜひ見ておきたいもの。それが大きな「寝釈迦仏」です。
寝釈迦仏って?
寝釈迦仏というものをご存知ですか?
お釈迦様が説いた仏教。その仏教において、悟りを開いた者の姿を表現したのが仏像なのですが、仏像には姿勢によっていくつか種類があるんです。
立っている姿の立像(りつぞう)、座っている姿の坐像(ざぞう)などいろいろあるのですが、そのうちの一つが寝ている姿の涅槃像(ねはんぞう)です。
あれ?寝釈迦仏じゃない。
大丈夫です。寝釈迦仏のことを涅槃像と呼んだり、寝仏と呼んだり、いくつか呼び名があるだけで同じものです。
要するに寝ている姿の大仏が寝釈迦仏なのですが、ただくつろいでいる姿を表現しているのではありません。
さきほど涅槃像という難しそうな言葉がでてきました。
最初に読み方を書きましたが、涅槃(ねはん)と読みます。
涅槃とは何かというと、仏教の教えの一つで、すべての煩悩から解放された安楽の状態をいい、仏教における入滅、いわゆる死ぬことをいいます。
涅槃仏はお釈迦様が入滅する(亡くなる)様子を表現した仏像なんです。
ワット・ポーは涅槃寺ともいわれているのですが、その理由がこの涅槃仏(寝釈迦仏)があるからなんです。
寝釈迦仏の多くは右手を枕にして、頭を支えています。
寝ている方向も実は決まっていて、体の方向は西向き、頭の位置は北です。
これが、人が亡くなったときの北枕の由縁にもなっています。
寝釈迦仏には眼が閉じているのと、開いているのがあるのですが、眼が閉じているのは、すでに入滅した姿で、眼が開いているのは入滅する前に修行僧たちに最後の教えを説いている姿だと言われています。
ワット・ポーの寝釈迦仏
ワット・ポーの寝釈迦仏はとにかく大きい。
どれぐらい大きいかというと全長46メートル、高さは15メートルです。
奈良の東大寺にある大仏の高さが15メートルぐらいなのに、寝ていて同じぐらいの高さがあるワット・ポーの寝釈迦仏。
その大きな寝釈迦仏がこちらです。
どうですか。全身金箔で覆われている黄金の大きい体。長い足。
とてもじゃないけど、写真に収まりません。
眼が開いているので、入滅する前の最後の説法をしている姿ですね。
穏やかで慈悲深い眼。どこにいても見られている気がして、なにも悪いことができないなという気持ちになります。
弟子の僧たちに最後の説法をして、多くの人に見守られながら安らかに最期を迎えられたんだと思います。
ワット・ポーの寝釈迦仏はただ大きいだけではないんだということを知っているだけで、実際に見るときに感じることはたくさんあると思います。
タイのバンコクに行かれる際は、ぜひとも足を運んでいただきたいワットー・ポー。
そこでこの大きな寝釈迦仏をご覧になってください。
住所:329/25-28 Maharaj Rd., Prabarommaharajchawang Pranakorn Bangkok 10210
料金:100バーツ(300円ぐらい)
時間:8:00〜18:30
休業日:年中無休
行き方:近くに電車の駅がないので、タクシーやトゥクトゥク(三輪タクシー)で行くのがおすすめ
電車で行くならクルンテープ駅から25番、53番のバス
※2016年5月現在
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