オランダの首都アムステルダムにアンネ・フランクの家があります。
「アンネの日記」を書いたことで知られる、一人のユダヤ系ドイツ人少女アンネと家族、その友人たちが、ナチスによるユダヤ人迫害から逃れるために身を隠していた家です。
その家が、現在では博物館として一般公開されているんですが、実際に見てみて、絶対に行くべき場所だと思いました。
※中は写真撮影禁止のため、一切写真はありません。
アンネ・フランクたちを襲った悲しい出来事
アンネ・フランクはドイツのフランクフルトのユダヤ系ドイツ人一家の末娘として生まれました。
ナチスによるユダヤ人迫害から逃れるため、オランダアムステルダムに一家で移住することに。
しかし平和な日も長くは続かず、オランダにもナチス軍が侵攻してきます。
そして、父親の職場事務所の3階と4階で隠れ住むことになりました。
1942年のことです。
移動式の本棚で階段を隠し、日中は物音を立てないように生活していたそうです。
水を流す音さえも聞かれてはダメ。トイレも早朝もしくは事務所が閉まる夕方以降だけと、制限されていました。
そんな厳しい生活のなか、13歳のアンネ・フランクは誕生日のときに父にもらったサイン帳に日記を書き始めます。
それが後に知られる「アンネの日記」です。
戦争が終わるまで、なんとかバレずに身をひそめることが出来ていたらよかったのですが、1944年、ナチスの秘密警察ゲシュタポにこの隠れ家がバレてしまい、アンネ・フランクはポーランドのアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所に送られてしまいます。
その後アンネ・フランクは、ベルゲン・ベルゼン収容所に移され、そこで感染症チフスにかかり命を落とすことに。
共に隠れ家で暮らしていたメンバーは、父親以外はみんな亡くなり、父親が遺品であるアンネの日記を世に出したことで、多くの人に読まれる本となりました。
アンネ・フランクの家は現在アンネ・フランク財団が管理し、運営を行っています。
この財団は、アンネ・フランクに起きた出来事を教訓にして、ユダヤ人迫害やその他人種差別の反対運動をしている団体です。
アンネ・フランクの家で多くの人が心を動かされる
アンネ・フランクの家に入ると、歴史通りの移動式本棚があり、隠れ家にしていた場所へと続く、隠し階段があります。
かなり狭くて急な階段を登ると、アンネ・フランクたちが住んでいた場所があり、それぞれの部屋と、洗面台、トイレなどがありました。
アンネ・フランクが記した日記も展示されています。
まだちゃんと「アンネの日記」を読めていないんですが、間取りなども本に書いてある描写通りみたいです。
暗くて狭い場所で、音を立てることも許されず、見つかったら殺されてしまうのではないかという恐怖の中、2年間も暮らし、希望を持ち続け日記を書いていたアンネ・フランクとその暮らしを共にしていた人たちのことを思うと、本当に胸が苦しくなります。
ヨーロッパの色々な国をまわるなかで、ユダヤの歴史に触れる機会が何度かありました。
その度に色々考えさせられたのですが、このアンネ・フランクの家では、隠れ家を目の当たりにして悲しげな表情をする人たち、当時の物が展示されているのを見て涙する人たちがいて、こういった出来事は絶対知っておくべきだなと改めて思いました。
これほどまで心を動かされた博物館は初めてです。
悲しい気持ちになりますが、幼いながら平和を信じ、最後まで希望を捨てなかったアンネ・フランクに、勇気をもらえる気がしました。
アンネ・フランクの家までの行き方と予約に関して
アンネ・フランクまでは、アムステルダム中央駅から歩いて15分ぐらいかかると思います。
僕が行ったときは、かなり人が並んでいて、1日目は諦めました。
翌日もう一度行くと、昨日よりも人が少なかったので30分ほど並んで予約なしの当日券で入ることができました。
2016年5月から入館システムが変更になった
営業時間は以下の通りです。
4月〜10月 | 9:00〜22:00 |
---|---|
11月〜3月 | 9:00〜19:00(土曜日は21:00まで) |
しかし2016年5月1日から、アンネ・フランクの家に入れる時間帯が、予約した場合と当日券を買う場合で分けられることになりました。
開館する9:00から15:30までの時間帯は、オンラインチケットを持つ人。15:30から閉館時間までは、当日券購入者が対象です。
当日券は入り口で買うことができます。
ちなみに入場料金は以下の通りです。(2017年7月現在−公式サイト参照)
大人 | 9ユーロ |
---|---|
10歳〜17歳 | 4.5ユーロ |
0歳〜9歳 | 無料 |
※オンラインチケットは0.50ユーロの追加料金がかかります。
僕が行ったときは、まだこういったシステムじゃなかったんですが、1日目に行ったときは、待ち時間がどれぐらいになるかわからないぐらい長蛇の列でした。
アンネ・フランクの家は中が狭くて一度に入る人数が限られているためです。
それでもアムステルダム観光では欠かすことのできない、アンネ・フランクの家に世界中から多くの人が訪れています。
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