ここ数年、コンテンツマーケティングという言葉をよく聞くようになりました。
詳しくは後述しますが、コンテンツマーケティングは顧客獲得を目的としたマーケティングの手法のことで、従来の手法とは少し異なります。
コンテンツマーケティングとはどのようなものか、そしてなぜそのような手法が取られるようになってきたのかを説明したいと思います。
コンテンツマーケティングとは
最初にも少し書きましたが、コンテンツマーケティングは、顧客の獲得を目的としています。
そのためにユーザーにとって価値あるコンテンツを制作および提供することに注力し、ユーザーにファンになってもらって、最終的に収益につながる行動をとってもらうための手法のことをコンテンツマーケティングといいます。
このマーケティング手法、日本では2015年頃から本格的に活用している企業が増えたんですが、海外の企業は100年以上前から実践しているのだとか。
ではなぜコンテンツマーケティングが注目されはじめたのか。
従来の手法では商品が売れなくなった
コンテンツマーケティングが注目され、取り入れられるようになった背景としての一番の理由は、従来の手法では商品が売れなくなってきたからです。
昔は商品やサービスをつくったら、売り込むのが普通でした。飛び込み営業のセールスマンが家や企業をまわって営業したり、ダイレクトメールを顧客に送ってアピールしたりといった方法です。
でもそういった売り込みのセールスマンは嫌がられるようになり、スパムメールが増えるなどの影響で、昔ほどの効果を得られなくなってきたんです。
そこで注目されはじめたのがコンテンツマーケティング。
コンテンツマーケティングがそれまでの手法と大きく違う点は、商品を売り込まないということ。
もちろん最終的には商品も買ってもらえるようにならないといけないのですが、重きを置いているのはまず商品を売ることよりも、顧客が必要としている正しい知識を得られるようなコンテンツを制作して提供することです。
コンテンツマーケティングの事例
ここで少し海外企業のコンテンツマーケティングの事例を紹介したいと思います。
まずは「Deer&Company」というアメリカの農機具メーカー。実はこのメーカーが発行した雑誌がコンテンツマーケティングの始まりともいわれています。
どういう雑誌かというと、新しい農業技術の紹介だったり、農家として成功するための方法が書かれた雑誌でした。
自社の農機具を紹介する内容ではなく、読む人が農業に関する役立つ知識を得られるような内容だったんです。
今聞いても、「雑誌ってそういうものじゃないの?」って思いますが、これが1895年のことというから驚きです。
もう一つ事例を紹介したいのは、フランスのタイヤメーカー「ミシュラン」によるコンテンツマーケティング。
レストランやホテルのガイドブックで有名なミシュランです。
それにつながる最初のガイドブックこそが、ミシュランが行ったコンテンツマーケティングのひとつ。
ミシュランは1900年に自動車旅行で使える地図や自動車整備の情報を掲載した400ページにもおよぶミシュランガイドを無料で3万5000部も配布したのだとか。
これも農機具メーカー「Deer&Company」の事例と同じで、自社商品のタイヤを売るのではなく、読む人が快適なカーライフを送れるための役立つ情報を提供するものでした。
これらの事例から、コンテンツマーケティングが商品を売り込まない手法だとわかったと思います。
商品を売り込まなくても、ユーザーにとって有益なコンテンツを制作・提供していくことで、次第に見込み客が増え、結果的に商品も売れるようになるということです。
コンテンツマーケティングのメリット・デメリット
コンテンツマーケティングには以下のようなメリット・デメリットがあります。
コンテンツマーケティングのメリット
- 広告費を抑えられる
- オピニオンリーダーとして成長できる
- コンテンツが資産となる
- 顧客に嫌がられない
- 顧客との間にコミュニケーションが生まれる
- 顧客のロイヤリティを高めることができる
- ターゲットの絞り込みができる
- ユーザーの反応が検証できる
コンテンツマーケティングは従来の手法に比べて、実践するハードルが低く、広告宣伝費も抑えることができます。
また、顧客に嫌がられることなく、コミュニケーションを図りながら信頼関係を築くことができるので、ファンをつくりやすいというメリットもあります。
有益な価値あるコンテンツはソーシャルメディアなどで拡散されやすく、より多くの人に情報を届けることができます。
コンテンツマーケティングのデメリット
- コンテンツ制作には時間がかかる
- 継続的にコンテンツを発信しなければならない
- 短期間では成果が見えづらい
コンテンツマーケティングのデメリットは価値あるコンテンツを継続して提供する大変さにあります。
すぐには結果が出ないため、本当にこの方法が良いのか疑問に思うこともあるかもしれませんが、これらのデメリットを解決できれば、必ず良い結果に結びつくはずです。
詳しくは『コンテンツマーケティングのメリット・デメリットとは』の記事をご覧ください。
コンテンツマーケティングの手法
コンテンツマーケティングで扱うコンテンツはいろいろな種類があります。
一番わかりやすいのはブログですね。
個人でもできますし、ワードプレスなどのCMSを導入したり、知識が乏しい方はブログサービスで簡単にブログを始めることができます。
企業でもオウンドメディアとよばれる、自社メディアやブログを立ち上げてコンテンツマーケティングを行っているところはたくさんあります。
文章や写真、あるいは動画などを用いてコンテンツを発信しています。
商品レビューや著名人がおすすめるコンテンツなどは購買意欲を促進させるという意味でも効果的。
他にもホワイトペーパーやEbookといわれる、調査レポートや商品の仕様、用語の解説などが書かれたものだったり、インフォグラフィックスといわれる、データをグラフや図で表したものなどもコンテンツマーケティングで扱われるコンテンツのひとつです。
どのようなコンテンツを扱うといいのか、それは企業や商品・サービスの特徴にもよると思います。
一番合ったコンテンツを選び、そのうえで良質な価値あるコンテンツを提供できるように心がける必要があります。
コンテンツマーケティングまとめ
実際にコンテンツマーケティングで大きな成果を上げている企業はたくさんありますが、決して楽な方法ではありません。
同業で同じようにやっているところがあれば、他よりも良いコンテンツを提供できるように考えなければいけないですし、それを継続して更新し続けなければいけないからです。
それでも、コンテンツマーケティングに取り組むのには大きな価値があり、大きな可能性があると思います。
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