出版社:技術評論社
発売日:2017/3/8
この本はWebマーケティングをしようと思っている人、あるいはWebマーケティングはすでにしているんだけどうまく成果に結びついていないという人に読んでもらいたい本です。
ただやみくもにWebマーケティングを行ったところで、うまくいかないことが多いと思います。僕も日々勉強中で試行錯誤を繰り返しています。
本書でWebマーケティングに必要だといっているのは「戦略」。
『Webマーケティングが成果につながらないたった一つの理由』の記事も参考にしてもらえればと思うんですけど、まずは選ばれる理由をつくることが大切で、それを考えることが戦略であり、その戦略を生かしてWebマーケティングを行っていきます。
この本を読むことで、どのように戦略を立てればいいのか、どうやってその戦略を生かせばいいのかがわかります。
簡単に内容についても触れておこうと思います。
戦略でマーケティングは変わる
一番最初の章では、Webマーケティングにおいてどれだけ戦略が大事かということを説明しています。
これまでは、狭い業界内や市場で中小企業も闘えていましたが、インターネット社会ですべての競合と闘わなければいけなくなりました。
その競争の中で生き残るためには選ばれる理由が必要なんです。
さっきも言いましたが、選ばれる理由をつくることがここでいう戦略です。戦略ありきのWebマーケティングであり、戦略なしではうまくいきません。
戦略にもとづいたマーケティング
どのように戦略を立てるのかというと、徹底してユーザー(お客様)や競合のことを調査・分析することです。
ユーザーがどのような価値を求めているのか、そのニーズに応えるようなものを提供しなければうまく伝わりませんし、まずはユーザーのことを知るということが大切です。
次に、競合他社との違いをはっきりさせて、自分の強みを見つけ出します。
ユーザーが求めていて、他のところとは違う自分の強みをわかった上で、その価値を伝えるためにサイトのコンテンツを作り上げていきます。
この戦略を考える上でわかりやすいフレームワークが「3C分析」というもの。詳しくは『3C分析による市場・顧客・競合・自社の分析がマーケティングに必要』をご覧ください。
SEOにこだわらないマーケティング
Webマーケティングで欠かせないのがSEOです。僕も大事だと思います。
しかし本書では、webマーケティングを行う上で、過度なSEO対策は逆効果だといっています。
SEOと聞くと、文章量を多くした方がいいとか、リンクをいっぱい獲得しろとか、記事は毎日更新した方がドメインパワーが強くなるとか、色々な意見が思い浮かびますが、本書の考え方はSEOを捨てるということ。
SEOにおいて気にするところとして書かれていたのは、適切なタイトルをつけることぐらいでした。
検索エンジンはユーザーが求めている情報を得られる環境づくりを追求して日々進化している。だからユーザーのことを考えてコンテンツを作れば自然と評価されるようになるという、とてもシンプルな考え方でした。
これからのリスティング広告
これからのリスティング広告についても少し書かれていました。
リスティング広告というのは、検索エンジンで何か検索したときに、検索キーワードと検索結果と連動して表示される広告のこと。
グーグルの場合だと、検索結果の上と下の方に広告と書かれたものが表示されていると思います。検索キーワードによっては広告がない場合もありますが。
このリスティング広告というのは、こういうキーワードに対してはクリック単価いくらで広告を出すというのを決めていて、単価が高い順に広告が表示されています。
リスティング広告はコンテンツマーケティングと違って短期的に効果を得られやすいのですが、キーワードの設定をしたりするのがとても大変で、リスティング広告で完璧を目指すのはキリがないですし、本書ではリスティング広告だけで解決しようと考えるのはよくないとしています。
だからこそやはりwebマーケティングも必要だということ。
もちろんリスティング広告で高い効果が見込めそうなら、どんどんやってもいいとは思いますけど。
まとめ
何度も言っていますが、webマーケティングをする上で戦略を立てることは重要です。
頭ではわかっていても、なかなか実践はできていないものです。
もう一度webマーケティングについて見直したり、これからサイトを作って効果的なマーケティングを進めていきたい人におすすめ。
webの世界は時代の変化がとてつもなく早いので、数年前の技術や考え方がすでに古くなったりしている場合もありますが、この本は2017年の3月に出たばかりで比較的新しいです。
[…] 『なぜあなたのウェブには戦略がないのか?』という本では、戦略がないというのは、選ばれる理由がないことだと説いています。 […]