写真の基礎知識

シャッタースピードを変えれば動きのある被写体の写り方が変わる

シャッタースピードはシャッターを開いている時間のこと。

つまりシャッターが開いて撮像素子(イメージセンサー)に光が当たっている露光時間のことです。

シャッタースピードを変えて露光時間を調整することで、動きのある被写体の一瞬を切り取ったり、流動的な写真を撮影することができます。

シャッタースピードの表示例

カメラの設定画面
これはカメラの設定画面。1/100となっている部分がシャッタースピードです。

カメラの表示例
これはシャッタースピードの設定画面。

シャッタースピードが速いとシャッターが開いている時間が短いということで、シャッタースピードが遅いとシャッターが開いている時間が長いということです。

シャッタースピードが1秒よりも短い場合は0.5秒、1/4秒・・・1/250秒、1/500秒のように0.5秒以外は◯分の1秒で表し、1秒よりも長い場合は2秒、4秒、8秒、15秒、30秒のような数字で表します。

シャッタースピードの設定画面の画像では一部分しか写っていませんが、1秒を基準に速い方は1/4000秒まで、遅い方は30秒まで設定可能です。

もしかしたらカメラのメーカーや機種によってシャッタースピードの表示や設定可能な速さは違うかもしれません。

シャッタースピードを速い方に1段階変えることを、シャッタースピードを「1段早くする」といい、遅い方に1段階変えることを「1段遅くする」という言い方をします。

ちなみにF値も「1段大きくする」とか「1段小さくする」という言い方をします。

F値に関しては【F値(絞り値)でカメラのレンズを通る光量やボケをコントロールできる】の記事をご覧ください。

シャッタースピードを変えることによる写り方の違い

動いている被写体を撮影するときにシャッタースピードを変えて撮ってみると、シャッタースピードによる写り方の違いがよくわかります。

下の2枚の写真をご覧ください。

シャッタースピードが速い場合
こちらはシャッタースピードを速くして撮った写真。本当はテニスボールが転がっている状態なんですけど、止まって見えます。

シャッタースピードが遅い場合
一方こちらの写真はシャッタースピードを遅くして撮った写真。

被写体(テニスボール)に動きが残っていて、転がっている状態だというのがわかります。

シャッタースピードが速いと、動いている写真でも被写体を止めて撮影することができ、シャッタースピードが遅いと、被写体の動きを表現できるんです。

でもシャッタースピードを遅くするときは注意しないといけないことも。

それは手ブレや被写体ブレが起きる可能性があるということ。

手ブレ・被写体ブレとは

シャッターが開いているときにカメラまたは被写体が動くと、写真がブレてしまいます。

シャッタースピードが速いと露光時間は短く一瞬なのでブレにくいのですが、シャッター時間が遅いとそれだけ露光時間が長いということなので、カメラや被写体が動いてしまう可能性が高くなります。

カメラが動くことによる写真のブレを手ブレ・カメラブレといい、被写体が動くことによる写真のブレを被写体ブレ・動体ブレといいます。

手ブレやカメラブレは撮り手のミス、失敗など悪い意味で使われることが多いですが、被写体ブレや動体ブレは表現としてブレているなど良い意味で使われることもあるのだとか。

手ブレを防ぐ方法とは

被写体ブレは被写体が動くかどうかで決まるので、こちらではコントロールしづらいです。

また狙ってブレさせれば、それは良い意味でのブレとして捉えられます。

でも手ブレは失敗の意味で使われるため、できれば手ブレをなくした方がいいのは間違いないですよね。

カメラの持ち方や撮影時の姿勢ももちろん大事ですが、他にも下記のような手ブレ対策があります。

  • 三脚を使用する
  • ISO感度を高くする
  • F値(絞り値)を小さくする

那智の滝
これは和歌山の那智の滝の写真。シャッタースピードを遅くして流動的な滝を撮ろうとしたんですけど、遅くしすぎるとブレるので、やっぱり三脚がないとけっこう撮るのが難しかったです。

シャッタースピードを変えることで明るさも変わる

シャッタースピードはISO感度絞りと同じく、露出を決めるための重要な要素のひとつ。

シャッタースピードで露光時間を調整するということは単に被写体を止めたり、動きを写したりするだけでなく、明るさにも関係しています。

シャッタースピードが速ければ光を取り込む時間が短いので暗く写り、遅ければ光を取り込む時間が長いので明るく写るといった具合です。

撮りたい写真やシチュエーションによってシャッタースピードを変えるので目安の設定は決めづらいですが、シャッタースピードをうまく使いこなして明るさを調節したり、動きのある被写体をうまく表現しましょう。

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