ベルギーの首都ブリュッセルにはヨーロッパの主要な機関が多く置かれています。
ブリュッセルの中心から少し東側のシューマン広場のあたりにヨーロッパの国際機関の本部が多くあるのですが、欧州連合(通称:EU)の本部の所在地も事実上こことされていて、「EUの首都」といわれるほど。
EUには28カ国が加盟(2017年3月現在)していて、ドイツやフランスなどの大国があるにもかかわらず、なぜベルギーのブリュッセルにEU本部が置かれているのでしょうか。
ベルギーは小国だが場所がいい
ベルギーは日本の九州よりも小さい国なのですが、ヨーロッパの中央部にあり、ブリュッセルから1000km以内に西ヨーロッパ各国の首都があります。
フランス・ドイツの大国、ベネルクス三国のオランダ・ルクセンブルクと面していて、西には海を挟んでイギリスがあるなど、交通の要衝であるのがEU本部が置かれている理由のひとつです。
ヨーロッパの機関の本部や施設は昔から多かった
ブリュッセルにはEUの前身である欧州原子力共同体・欧州石炭鉄鋼共同体・欧州経済共同体の3機構の本部や施設が多く置かれていました。
なかでも一番先につくられたのは欧州石炭鉄鋼共同体だったのですが、これは元々フランスとドイツで争いの種になっていた石炭や鉄鋼を共同管理することを目的につくられた機構です。
そのときに加盟していた6カ国フランス・ドイツ・イタリア・ベルギー・オランダ・ルクセンブルクはラテンとゲルマンに分けることができ、オランダ語とフランス語が混在するベルギーはラテンとゲルマンの接点とも言えるし、EUの本部がベルギーだと反対する国がなかったともいわれています。
その後、欧州石炭鉄鋼共同体と欧州経済共同体もでき、3つの機構が1967年のブリュッセル条約によって統合されました。
ブリュッセルにあるEU諸機関
欧州連合の運営を担っている主要な7つの機構のうち、4つはブリュッセルを拠点としています。
- 欧州委員会(ベルギー:ブリュッセル)
- 欧州連合理事会(ベルギー:ブリュッセル)
- 欧州理事会(ベルギー:ブリュッセル)
- 欧州議会(ベルギー:ブリュッセル・フランス:ストラスブール)
- 欧州連合司法裁判所(ルクセンブルク:ルクセンブルク)
- 欧州中央銀行(ドイツ:フランクフルト)
- 欧州会計監査員(ルクセンブルク:ルクセンブルク)
欧州委員会の本部「ベルレモン」
EUの政策を執行する機関が欧州委員会です。
欧州委員会はブリュッセルのベルレモン庁舎を拠点としています。
欧州連合理事会の本部「ユストゥス・リプシウス」
欧州連合理事会はEUの政策を決める機関。
ブリュッセルのユストゥス・リプシウスという建物を本拠としており、欧州委員会があるベルレモンの向かいにあります。
欧州議会があるビル群「エスパース・レオポルド」
EUの議会組織である立法機関の欧州議会はストラスブールとブリュッセルの2カ所で議会を行っています。
一応拠点はフランスのストラスブールとなっていますが、実際のところEUの諸機関が多いブリュッセルの方が欧州議会として機能しているのだとか。
ちなみに議会事務局はルクセンブルクにあるそうです。いくつか拠点を置いているというのも何か意味がありそうですね。
ブリュッセルで欧州議会があるのは、エスパース・レオポルドというビル群です。
欧州委員会と欧州連合理事会がある建物は正直わかりにくかったのですが、欧州議会は規模が大きく、さすがEUの中心部という感じがありました。
12個の金色の星で構成されているヨーロッパのシンボルもあったのでわかりやすかったです。
EU加盟国の国旗もありました。
EU加盟国の言語で欧州議会と書かれています。
こんな銅像もありました。
あともうひとつ。
どこにあったかはあまり覚えていないのですが、
こんな銅像もありました。
誰。
欧州議会のビジターセンター「パーラメンタリウム」
近くに欧州議会について楽しく学べるパーラメンタリウムという施設があります。
2012年にオープンしただけなので比較的新しいのであまり知られていないかもしれませんが、欧州議会だけでなく、EUの歴史などについても勉強できる施設となっています。
難しい内容かと思いきや子供でも楽しく学べるようになっているので、子連れで訪れている人も多かったです。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
【パーラメンタリウムは子供から大人までEUのことが楽しく学べる施設】
Leave a Comment