危機遺産リストに登録されていたプリトヴィツェ湖群国立公園
プリトヴィツェ湖群国立公園はクロアチアで最も注目されている場所のひとつ。
ボスニア・ヘルツェゴビナとの国境近く、プリトヴィツェ湖群市にあります。
クロアチアの首都であるザグレブからバスで2時間半ほどで行くことができます。
プリトヴィツェ湖群国立公園は、素晴らしい自然美を評価されて、1979年にユネスコ世界遺産に登録されました。
しかし、クロアチア紛争の武力衝突によって危機遺産リストに登録されることになります。
危機遺産リストとは「危機にさらされている世界遺産」のことです。
クロアチア紛争が終わり、政府が一帯の地雷撤去を進め、1997に危機遺産リストから外されました。
今ではクロアチアで人気の観光地です。
プリトヴィツェ湖群国立公園ってどんなとこ?
プリトヴィツェ湖群国立公園は192㎢の広大な森に、大小16の湖と92の滝があります。
192㎢がどれくらいかというと、東京ドーム4000個分くらいでしょうか。
16個の湖は、山間から流れ出る水が南北におよそ8キロにもわたって流れており、最も高い地点で標高636m、最も低い地点で標高503mあります。
このプリトヴィツェ湖群国立公園はとにかく広いのでコースが3つに分かれており、散策には2時間〜6時間ぐらいかかります。
どのようなルートで回っても自由なのですが、このルートだとこれぐらいの時間で回れますよという目安が入り口のところに書かれています。
とはいえ6時間はさすがに厳しい。。
自然が造り出したプリトヴィツェの湖群
このような湖群や多くの滝はどのように造り出されたのか。
それは地質が関係しています。
この一帯の地質は石灰岩などからなり、石灰華という石灰質堆積物の働きによって、広大な森を流れるプリトヴィツェ川に自然のダムが造られています。
年々堆積物は積み重なり、自然のダムは高くなっていきます。
また、自然の浸食作用で、それぞれの湖を結ぶ滝ができました。
自然が造り出した湖群・滝からなるその広大なプリトヴィツェ湖群国立公園を散策すれば、場所によって湖の色が違うことに気がつきます。
なぜ場所によって湖の色が違うのか
それぞれの湖の色が違うのは、ミネラルや有機物の含有濃度が場所によって違うからです。
日光の角度によっても見え方は全然違います。
エメラルドグリーンの湖はとても透き通っていてきれいでした。
プリトヴィツェ湖群国立公園の植物や動物
プリトヴィツェ湖群国立公園は一帯がブナやモミの原生林に覆われています。
公園内には、一般的な動物種から希少な動物種まで、多くの鳥類、熊やオオカミが生息しているそうです。
おそらく散策するコースには滅多にいないと思いますが、野生なので出てくることもあり得るのかなと思います。
魚もたくさん生息していて、透明な水面から見ることができました。
四季折々の景色を楽しむ
プリトヴィツェ湖群国立公園は、それぞれの季節によって姿を変え、四季折々の景色を楽しむことができます。
僕が行ったのは5月です。少し暑かったですが、暑すぎないこの時期は観光客がたくさんいました。
とはいえ天気にも恵まれてよかったです。
春から夏がベストシーズンとされていますが、秋には紅葉が見られ、冬には凍った滝や幻想的な風景が見られるそうなので、どの季節でも楽しめると思います。
これは上から撮った写真です。下に見える遊歩道を歩いたり、この写真を撮っている場所を歩いたりして、散策します。
ただ広いだけじゃなく、登ったり降りたりするのでけっこう疲れます。
3時間ぐらい歩き回りました。
途中でボートに乗って湖を渡ったりもできます。
長い年月をかけて造り出されたプリトヴィツェ湖群国立公園。今もなお自然の力で変化し続けています。
素晴らしい景色を見れただけでなく、この雄大な自然を全身で感じながら歩き回った時間は特別なものでした。
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