華やかなイメージのあるフランスの都パリには、毎年多くの観光客が訪れます。
中でも密かに人気があるのが地下墓地「カタコンブ・ド・パリ」。
ん?地下墓地?墓地?
びっくりするかもしれませんが、亡くなった人の遺体や遺骨を埋葬するあの墓地です。
墓地に連日多くの観光客が訪れていると聞くとなんだか気になりますよね。
カタコンブとは
カタコンブ(catacombes)とはフランス語で「地下墓地」という意味があります。
地下墓地はヨーロッパではけっこう一般的でイタリアやオーストリア、スペインなど他の国にもあります。(イタリア語やドイツ語では「カタコンベ」)
カタコンブ・ド・パリが他の地下墓地と違うところは、元々は地下墓地として作られたのではないということ。
カタコンブ・ド・パリの歴史背景
昔は地下墓地ではなく、教会の下やその周辺に遺体や遺骨を埋葬していましたが、戦争や疫病、ペストなどの伝染病、飢餓によって亡くなられた人たちの遺体が増え続け、埋葬する墓地が不足していました。
単に土地的な問題だけでなく、食べ物が数日で腐ったり井戸水が汚染されるといった衛星面での問題をまねき、疫病をさらに拡大させてしまう原因にもなっていました。
採石場が地下墓地となる
墓地問題の解決の糸口となったのが採石場です。
ヨーロッパの街並みを見れば、石造りの建物や石畳の道が特徴的ですよね。
その石のほとんどは、地下の石を切り出して使われていました。
そうすると地下には空洞ができますよね。多くは埋められたり、落盤していたりしましたが、放置されていた採石場を地下墓地にして、埋葬されている遺骨を発掘してそこに移すことになります。
その後数十年の歳月をかけて、馬車を使い遺骨を採石場に運び、採石場は地下墓地「カタコンブ・ド・パリ」と呼ばれるように。
採石場の頃は、好奇心で足を踏み入れた人が出てくることができずに1年後白骨で見つかるという事件もあったそうです。
カタコンブ・ド・パリは実は大人気の観光スポット
遺骨を納骨している地下トンネルは300キロ以上も続いているとか。
そのうち一部が観光地として一般公開されています。
「カタコンブ・ド・パリ」にはなんと600万体が納骨されています。
地下約20メートルのところに整然と積み上げられている遺骨。それを一目見ようと多くの観光客が訪れているわけですが、その人気ぶりは想像を超えていました。
カタコンブに入れるのは10時〜16時の間。
僕も気になったので見てみたいと思い、朝の11時頃にカタコンブに行ったのですが、そこにはすでに行列が。
地下に入るため人数規制がされているというのもありますが、これはいくらなんでも並びすぎでは?と思うほどの行列でした。
係員の人に待ち時間を尋ねると3時間待ちだと言われ、その日は断念しました。。
翌日の朝10時過ぎに再びカタコンブへ。
少し待ったあと、いよいよ600万人が眠る地下へと続く細いらせん階段を降りていきます。
入り口に刻まれているこのフランス語。「止まれ!ここは死の帝国」という意味です。
異様な雰囲気を放つ地下墓地「カタコンブ・ド・パリ」
ここから先は遺骨がぎっしり積み上げられてる写真も載せますので、「なんか不気味そうだなー」とか、気分を害されそうな方は控えてください。
階段を降りるとこんな感じのところを進んで行きます。すでに怖い。
パリの地下鉄よりも深いところまで降りるため、少し肌寒い感じ。温度は年中12度ほどらしいです。
周りに観光客がいるとはいえ、進む先から異様な雰囲気を感じます。(肌寒さが怖さを倍増)
通路の両側に整然と積み上げられている遺骨。。
積まれているのは腕や足、頭蓋骨が多いようです。
この写真が一番怖い。。
このような場所に積まれた遺骨を見るのも変な感じですが、なによりも異様だったのは、観光で訪れていた学生たちがこの場所で集合写真をとっていたこと。
住所:1 Ave. de Colonel Henri Rol-Tanguy 75014 Paris
料金:13ユーロ
時間:10:00〜20:30(チケットは19:30まで)
休業日:月曜日、1/1、5/1
行き方:Denfert Rochereau駅(メトロ4番線・6番線、RERのB線)が最寄駅
※2017年7月現在
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