フランス

「サント・シャペル」パリ最古のステンドグラスが輝く美しい教会

サント・シャペルにはキリストの聖遺物が保存されている

サント・シャペル(Sainte chapelle)は「聖なる礼拝堂」という意味で、パリ最古のステンドグラスを使ったゴシック様式の教会です。

ルイ9世がコンスタンティノープルの皇帝から買い取ったキリストの聖遺物などを納めるためにこの教会を建てました。

コンスタンティノープルは現在のトルコのイスタンブールの前身で、かつては東ローマ帝国の都市でした。

聖遺物とは聖人の骨や聖人に属していた物で、ルイ9世が買い取ったキリストの聖遺物には、茨の冠や十字架の木片などがありました。

茨の冠はキリストが十字架にかけられたときにかぶせられたもので、手に入れるために、サント・シャペルの建築費用を上回るほどの金額を使ったそうです。

サント・シャペル
1248年に建てられたこの教会の外観は古く簡素な感じです。

サント・シャペル
サント・シャペルは最高裁判所の敷地内にあります。そのため、入り口ではセキュリティチェックを受けなければなりません。

ステンドグラスで囲まれた礼拝堂が美しい

サント・シャペルには下と上の階に分かれて、2つの礼拝堂があります。

下の礼拝堂は、王宮の使用人や庶民のための礼拝堂で、聖母が祀られています。

入ってすぐ左にある階段を上がって、上の礼拝堂に行きます。

サント・シャペル
上の礼拝堂は、フランス王家や特権階級の人のための礼拝堂で、キリストの聖遺物が保存されている大聖遺物箱があります。

サント・シャペル
この礼拝堂が、天井と床以外はすべてステンドグラスで囲まれていてとてもきれいなんです。

おすすめは晴れているときの昼間です。太陽の光が差し込んで、ステンドグラスの透き通った青や赤のガラス窓が輝いて見えます。

600㎡にも及ぶこのステンドグラスはパリ最古のもので、色彩や緻密さが高く評価されていて、ステンドグラスの最高傑作といわれているほどです。

3分の2は13世紀の当時のものだそうです。

ステンドグラスの絵は聖書の物語になっていて、創世記のアダムとイヴから始まり、キリストの復活までの歴史が描かれています。

1000以上の場面が描かれているこの物語は、祭壇に向かって左から右へと時代順になっています。

サント・シャペル
そして祭壇には、大聖遺物箱があり、キリスト受難に関する22の聖遺物が保存されています。

サント・シャペル
観光都市パリにはエッフェル塔やルーブル美術館、凱旋門など有名なものが多くあるため、サント・シャペルの知名度は高くないですが、個人的にはすごく好きな教会です。

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