海外だと日本では経験しないようなことが多々あります。
僕が最初驚いたのは、観光地だと観光客のお金目当てで話かけてくる人がかなり多いということ。
街中でいきなり話しかけてきて、色々親切に教えてあげたからお金ちょーだいみたいな人。
電車に乗ってるときとかレストランの外の席でご飯食べてるときでも、花とか持ってきて買ってくれみたいな人もいっぱいいます。
日本だとタダでティッシュ配ってるのに。
海外でもしティッシュ配ってたら絶対お金要求されそう。
音楽とか演奏してチップくださいって言ってくる人の方がまだマシですが、残念ながら親切に色々教えてあげるからお金ちょーだい属性の人が多いんです。
パリ観光中に出会った親切?なおじさん
僕がパリにいたときです。
留学でわりと長期間フランスにいたので、パリの有名な観光地はだいたい行っていたのですが、なんせフランスは観光大国。
まだまだ見てないところもたくさんあったので、帰国までの数日間はマイナーな所も含め、まだ行ってないところを見て回ろうと思い、1人でパリ観光をしていました。
ある日僕はカタコンブにまず行って、それからポンピドゥーセンターという近大美術館に行く予定でした。
カタコンブは骸骨だらけのところです(笑)
パリの地下にある墓地なんですが、観光スポットになってて、かなり人気!
詳しくはパリの地下にある600万人が眠る墓地「カタコンブ・ド・パリ」を読んでください。
カタコンブに行ったらやはりかなり多くの人が並んでいて、3時間待ちでした。。
なのでその日はカタコンブは諦めて、ポンピドゥーセンターに向かっていたのですが、セーヌ川沿いを歩いていて、横断歩道で信号待ちをしていると1人の男性が声をかけてきました。
「すいません、今何時かわかりますか?」
男性はヒゲを生やした50代ぐらいのダンディな人で、一見優しそうなオーラを醸し出しています。
僕はポケットからスマホを取り出して時間を確認して
「◯◯時ですよ!」
とスマホの画面を見せました。
「ありがとう」
とおじさんが言うとそこで一旦会話は終わりました。
信号が赤だったので青に変わるまで待っていると、おじさんが再び話しかけてきました。
「日本人ですか?」と。
「日本人ですよ」
と言うと、おじさんは嬉しそうな顔をして、日本人の友達の話をしてきました。
普段は話しかけられても無視することが多いのですが、おじさんが良い人そうだったのと、留学当初よりもフランス語で会話ができるようになっていたので、信号が青になって歩きはじめてからも、ついおじさんの話に相槌うったりして聞いていました。
※おじさんとの会話はフランス語です。
ここからは、日本語だったらこんな感じだろうという話言葉で進めます。
おじさん「日本いいとこだよね。僕も行ったことあるんだ。」
僕「日本のどこに行ったんですか?」
おじさん「神奈川の鎌倉。そこにゆきこっていう友達がいるんだ。」
僕「そうなんだ。」(最初はうさんくさいおじさんだなと思って少し警戒していたけど、東京とか大阪じゃなくて神奈川の鎌倉って答えるぐらいだから、嘘の話じゃないのかなとおじさんのことを少し信じはじめます。)
おじさん「ゆきこと知り合ったのはこのパリだったんだ。彼女が語学留学で3ヶ月間パリに来てて・・・(省略)」
という感じでゆきこの話を5分ぐらいした後、
「これからどこ行くんだい?」
と聞いてきました。
僕「カタコンブに行ったけど人がいっぱいで、ポンピドゥーセンターに向かってる。おじさんは?」
おじさん「僕は一人で美術館巡りをしているんだ。パリ市民はパリの観光パスを安くで買えるからね。」
僕「一人で?」
おじさん「妻は今妊娠中で家にいるんだけど、観光パスの期限がもう少しで切れるから行ってきていいと言われたんだ。」
僕「へぇーそうなんだ。」
おじさん「そうだよ。観光パスを持っていれば、パリの観光スポットのほとんどは並ばずに入れる。もちろん、観光パスを買うときにお金を払ってるから入るときにお金は払わないでいいんだ。よかったら妻の分の観光パスが余ってるから、一緒にカタコンブに行く?並ばずに入れるよ。」
僕「えー、まじでー!?」(3時間も並ばずにカタコンブに入れるのはかなりいい。とはいえこのときまだ少し警戒していたので断ることに。)
僕「ここまで歩いてきたし今日はいいや。」
おじさん「そっか!じゃあパンテオンって知ってる?」
僕「聞いたことあるような気がするけど、あんまり知らない。」
おじさん「教会なんだけど、地下に多くの偉人の墓があって、そこも見れるんだ。近くにあるから行かない?そこも普段いっぱい並んでるから、この観光パスが役に立つよ。」
僕「うーん、いいよ。(半信半疑ながらもちょっとおもしろそうだったのでついて行ってみることに。)」
歩くこと5分。パンテオンに到着。
たしかに近い。
人はそんなに多くないような気もするけど、入り口では少しだけ並んでいました。
おじさん「さぁ僕の観光パスで入ろう。」
僕「ちょっと待って、それって僕はお金払わないでいいの?」
おじさん「当たり前だよ。タダで入れるんだ。」
僕「あとからお金要求してきても払わないよ?(念を押す)」
おじさん「大丈夫大丈夫。そんなこと言わないから。(優しい顔でそう言うおじさん)」
おじさんの言う通り並ばずに、お金も払わず、おじさんが持っていた2枚の観光パスで入ることができました。
中は思ったより広くて、こういう感じ。
床とか天井にやたらと人の顔が描かれていました。
「地下に行くのは奥にある階段だよ」
とおじさんが言って、2人で地下に降ります。
これもおじさんが言っていた通り、墓所となっていました。
パンテオンには学者とか政治家とか、フランスの偉人たちが祀られているそうで、おじさんが順番に説明してくれます。
おじさん「この人は作家の○○という人で〜(省略)」
5分ぐらいかけて説明してくれて、僕も関心しながら話を聞いていました。
おじさん「この人は数学者の○○という人で〜(省略)」(2人目の説明も始めるおじさん。)
この人本当にいい人かもしんない。
と思っていたときでした。
急におじさんの顔つきが変わって、
おじさん「もういいだろ?そろそろお金払えよ!」
僕「は?」(いやいや、1秒前まで数学者の話してたのに急に何)
おじさん「はよ金払えよ!金!」
僕「いや、ここ入るときお金払わなくてもいいって言ったよね?」
おじさん「そんなの知らん!さっさと金払え!」
僕(なんだよこいつ)
このあと、金くれ金くれうるさいおじさんと、断固として払わない僕との不毛な戦いが5分ぐらい続き、挙句の果てには、
おじさん「お前のフランス語何言ってるかわからない!意味わかるように話せよ日本人!」
僕(たしかに拙いフランス語だけど、さっきまで会話してたでしょーが。)
おじさん「とりあえず外でろ!ここは俺の金で入ってるんや!」
めんどくさい戦いがさらに続きそうだったので、外に出て、お前に払う金なんてないと言ってその場を去ろうとすると、それでもしつこく金払えと言ってきたけど、絶対お金は払わないと決めていたので無視しました。
結局おじさんが折れて、
「これだけ親切にしてやったのに金ぐらい払えよ!」
と怒鳴りながら帰って行った。
親切ってそういうもんじゃないんだよおじさん。
せっかくパンテオンもっとゆっくり見たかったのに。
再入場も考えたけど、けっこう値段が高くて諦めました。
海外では親切にしてくれる人には少し注意
観光地だとこういう人がけっこういるのでみなさんも気をつけてください。
まぁ今回のこういう話も経験のひとつとしてはいいかなと思います。こういう手口でくるんだなと知ることができました。
もちろん普通に親切な人もいますよ。
ただ、がつがつ話しかけて来る人はやっぱり注意すべきだと思います。
日本に興味持ってるとか、日本人の友達がいるとか言われても半信半疑で聞いておくべき。
鎌倉に行ったことがあるって言われても信じちゃだめですよ。(僕は少し信じました。)
日本人は警戒心が緩いですし、お金持ってると思われているからどんどんお金目当てで話しかけてきます。
パリは観光大国でいいところもいっぱいあるのですが、観光客を狙った犯罪も多いので、気をつけてくださいね。
観光客を狙ってミサンガを売りつけてくる人もいます。フランスだとモンマルトルの丘にいっぱいそういう人たちがいます。
イタリアのミサンガ売りの手口と対策!わざと口車に乗ってみた結果…では、イタリアのローマで有名な観光スポットでもあるスペイン広場でミサンガ売りに遭遇したときの話を書いています。
ミサンガ売りの手口だけでなく、その対策もご紹介しているので参考にしてください。
はじめまして。
昨年の11月、このおじさんに遭遇しました。鎌倉、ゆきこ、妊娠中の奥さん。全く同じ事を言ってました(私の時は、英語で)話のレパートリーはあまり無いのかも。はたまた日本人向けのストーリーなのか…。
はじめまして。
僕が遭遇したのは3年ぐらい前だったんですけど、まだ同じことを言っているおじさんがいたんですね。。
まさかこうやって同じ話を共有されているとはそのおじさんも思ってないでしょうね笑