奈良市般若寺町の閑静な住宅地に奈良少年刑務所があります。
2017年3月に施設の老朽化のため閉鎖されたのですが、その奈良少年刑務所(旧奈良監獄)をホテルにする計画が進められているんです。
そうなれば、日本で初めての「監獄ホテル」になります。
奈良少年刑務所は現存する刑務所で最古
奈良少年刑務所が建設されたのは1908年(明治41年)。
2017年3月で閉鎖してしまいましたが、現存する刑務所の中で最も古い刑務所です。
奈良少年刑務所は奈良監獄ともいわれていて、明治時代に政府がつくった「明治の五大監獄」のひとつです。
奈良監獄以外には、千葉監獄・金沢監獄・長崎監獄・鹿児島監獄がありますが、当時のまま残っているのは奈良監獄のみです。
これまで更生教育をするための矯正施設として機能してきましたが、およそ109年の歴史に幕をおろしました。
2020年に日本初の監獄ホテルが誕生か
2017年2月に奈良少年刑務所は国の重要文化財に指定されました。
また、赤レンガ造りが印象的な明治時代の価値あるこの建物を保存・活用する事業者が募集され、全国で宿泊施設を展開するソラーレホテルズアンドリゾーツを代表とするグループが宿泊施設として再活用する計画を立てました。
これから建物の耐震補強や改装をして、2020年にホテルが開業する予定です。
刑務所がホテルになるのは日本で初めてのこと。
今までになかった斬新なホテルが誕生しそうな予感です。
改修工事が行われる前、2017年7月16日に一般見学会が行われたそうです。
知らなかったので行けなかったですが、今まで非公開だった受刑者の舎房なども見ることができたのだとか。
今は見学会が行われておらず、中に入ることができません。
ホテルは3つのスタイルで展開
奈良少年刑務所はハビランドシステムといって、看守所があって、そこから放射線状に伸びる構造で収容棟があります。
その旧収容棟は「文化財ホテル」として、5平方メートルの独房3室分を1部屋の客室にする予定だとか。
また、病監をリノベーションして簡易宿泊型ドミトリー(仮称:MUJI HOTEL)にしたり、ホテルの棟(仮称:そらみつ奈良)を増設したりと、ホテルは3つのスタイルで展開される予定です。
史料館や商業施設も併設予定
宿泊施設だけでなく、史料館や商業施設も併設されます。
史料館は刑務所の歴史を伝えるためにもとても重要な建物のひとつになると思います。
一足早く、2019年の秋に開館予定です。
また、ホテルの他にレストランやカフェバー、温浴施設などもつくられる予定です。
まだこれも仮称ですが、これらの施設は「HISTERRACE奈良」として、観光名所の一つにすることを目指しています。
バスに乗れば奈良公園周辺まですぐ行けますが、少し場所的には微妙な気はします。
ですがこういう歴史的な建物の価値を残しつつも、再び違う施設として活用されるのはいいことですし、刑務所をホテルにするという初めての試みが形になるのはとても楽しみです。
住所:奈良県奈良市般若寺町18
アクセス:JR奈良駅・近鉄奈良駅からバスで「般若寺」バス停下車徒歩3分
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