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正倉院展に行く前に知っておきたい正倉院や宝物のこと

毎年10月末から11月半ばまで、奈良県で「正倉院展」という催しがあります。

第69回正倉院展
歴史ある貴重な品々が展示されるので毎年大勢の人が訪れているんですけど、招待券をいただいたので今年初めて行きました。

正倉院や納められている宝物についてなど、正倉院展を見に行く前に知っておきたい基本的なことをご紹介します。

正倉院について

正倉院展とは、正倉院という奈良時代の国宝建築の倉に保管されている宝物の中から数十点を年に一回展示するイベントで、奈良県の国立博物館にて行われています。

正倉院は東大寺の近くにあり、角材や三角材を積み上げてつくる、校倉造り(あぜくらづくり)の外観をしています。

正倉院展は年に一回ですが、正倉院は2014年に100年ぶりの大修理が終わって、平日なら外観を見ることができます。(正倉院展の期間中は土日も公開。)

正倉院には聖武天皇ゆかりの宝物(生活用具や楽器、シルクロード諸国のものなど)約9000件の品が保管されていて、そのほんの一部ですが正倉院展で見ることができるので、多くの人が訪れます。

ちなみに宝物が納められている倉は3つに分けられていて、それぞれ北倉・中倉・南倉とよばれています。

どうやって1200年以上も保管してきたのか

正倉院や納められている宝物は1200年以上も守られてきたわけですが、どうやって管理がされているのか。

正倉とは東大寺の高床式倉庫で、そこに宝物が納められているのですが、東大寺が管理しているわけではなく、国が管理しています。

当時宝庫の一部は「勅封」といって、天皇の命令で封がされた厳重な管理制度の下にあって、明治以降から国が管理することに。

戦後は空調も完備された鉄筋コンクリートの宝庫で保管されています。

正倉院宝物は光明皇后による奉納がはじまり

正倉院宝物は、東大寺を建てた聖武天皇が756年に亡くなり、四十九日法要の際に、光明皇后が聖武天皇の遺愛品など約650件を東大寺の大仏に奉納したのがはじまりと言われています。

なぜ大仏に奉納したのか

当時は各地で争いが起こったり、病気が流行ったりして、世の中が不安定でした。

そのため聖武天皇は仏教の力で世の中を安定させようと、奈良に東大寺を建てて大仏をつくりました。

しかし大仏ができた752年に開眼の儀式を行ったものの、その4年後に聖武天皇は亡くなってしまいます。

光明皇后は聖武天皇の冥福を祈るため、聖武天皇が大切にしていた品々を大仏に捧げることにしたんです。

正倉院宝物は海外交流の証でもある

正倉院宝物には、外国製の宝物も数多くあります。

当時中国の唐は優れた文化を持つ国で、都である長安には東西交易のシルクロードを通じて世界各地から工芸品などが集まっていたので、遣唐使のような国の使いや商人が日本に持ち帰ったり、新羅や渤海から贈られたりして、世界の文物が日本にも伝来しました。

こういった正倉院の宝物は、海外との交流の証ともいえると思います。

第69回 正倉院展(2017年)

正倉院展で見られる宝物は年によって多少違います。

2017年の正倉院展では、北倉10件、中倉25件、南倉20件、聖語蔵3件の計58件が出展されていて、そのうち10件が初出陳となっています。

屏風・器・杯・水瓶・お面・楽器・ボードゲーム・鏡・仏具・腰回りの装飾品など、色々なものが展示されていたんですけど、館内は一切撮影が禁止なので、展示物を撮ることはできませんでした。

第69回正倉院展
これは正倉院展の入場列。

第69回正倉院展
平日の昼間だったので、待ち時間は10分ほどでしたが、館内は人が多かったので展示物を近くで見るのはなかなか大変でした。

土日の朝一番はかなり混雑していて、マシなのはやはり平日の昼間です。

ちなみに僕はわりとじっくり説明文とかを読みながら見て回って、だいたい1時間ほどかかりました。

第69回正倉院展
入場券は当日でも買えますよ。

第69回 正倉院展
会場:奈良国立博物館
会期:2017年10月28日〜11月13日(会期中無休)
開館時間:午前9時〜午後6時(金・土・日曜・祝日は午後8時まで。入館は各日とも閉館の30分前まで。)
料金:一般1100円、高校・大学生700円、小・中学生400円
アクセス:近鉄奈良駅下車徒歩15分、JR奈良駅から市内循環バスの外回り「氷室神社・国立博物館」バス停で下車すぐ

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