ロンドンの象徴でもあるビッグベン
ビッグベンはイギリス、ロンドン中心部を流れるテムズ川河畔にあるウェストミンスター宮殿の一角に建てられた時計塔です。
ビッグベンという呼び名は愛称であり、正式名称ではありません。
鐘の正式名称はグレート・ベルで、時計台はかつてクロック・タワーと呼ばれていましたが、2012年にエリザベス2世女王の在位60年を祝してエリザベス・タワーに改称されました。
ビッグベンと呼ばれるようになった理由については、いくつか諸説があります。
ビッグは単純に、鐘が大きいからだと言われています。
ベンの由来は、時計台の工事を担当したベンジャミン・ホール卿の名にちなんだから、もしくはヘビー級ボクシングチャンピオンのベン・カウントの名にちなんだからではないかと言われています。
理由はともあれ、これまで多くの人にビッグベンという愛称で親しまれてきました。
ちなみにビッグベンが建つウェストミンスター宮殿は、現在国会議事堂として使われており、1987年に世界遺産に登録されました。
ビッグベンの鐘は150年以上正確に鳴り続けている
ビッグベンの鐘が初めて鳴らされたのは1859年。
それから150年以上経ちますが、ビッグベンの鐘は1秒の誤差もなく、正確な時間を知らせてきました。15分おきに仕掛けの歯車が動き、鐘の音を響かせます。
ロンドン市民の生活の一部ともいえるビッグベンは、現在6人の機械技師によって守られています。
一般の人が入ることはできない時計塔の中ですが、機械技師の方たちは、時計塔の一番上にある鐘の調整などを行うために、334段の階段を登っています。エレベーターなどもないので大変ですね。
正確に鳴るビッグベンの鐘の意外な調整方法
正確な時間に鳴るビッグベンの鐘の音。その正確さを守るための調整には、意外な方法が使われています。
それはイギリスの硬貨、1ペニーコイン(日本の1円相当)を使うという方法です。
どういうことかというと、鐘を鳴らす振り子の速さに応じて、1ペニーコインを乗せたり取ったりしています。
振り子の動きが遅くなれば、1ペニーコインを乗せて振り子を少し重くして揺れるスピードを速くします。
反対に振り子の動きが速くなれば、乗せている1ペニーコインを取って少し軽くするという具合です。
1ペニーコインを1枚乗せることによって、1日で0.4秒進むそうです。
まるでその場しのぎのような、原始的な方法で調整されていたとは意外でした。
余談ですが、僕たちにも馴染みのある、学校などで使われているチャイムの音はビッグベンの鐘の音が発祥となっています。
ビッグベンの鐘が鳴らなくなり時計も止まる!?
150年以上もの間、ロンドンの象徴として、ロンドン市民の生活に寄り添い、世界中の観光客に人気だったビッグベン。
実は老朽化のため、2017年のはじめから3年間にわたって改修工事が行われます。
英国議会は、なるべく鐘の音や時計を止める期間は短くするよう検討していますが、少なくとも数ヶ月間は、鐘の音を聞くこともできなくなり、大時計も止まってしまうでしょう。
また、工事の足場を組むために時計塔の大部分はカバーで覆われてしまうので、しばらくはビッグベンを見ることさえできなくなるかもしれません。
テムズ川に架かる橋から、ずっと眺めていたいと思えるほど、個人的にビッグベンはとても好きです。
曇りの天気が多いロンドン。
時間によっても全然違う様を見せてくれます。
夜も綺麗です。
ビッグベンがしばらく見れなくなるというのは寂しいですが、3年後、生まれ変わったビッグベンを見に行けることを楽しみにしたいと思います。
[…] 『ロンドンの象徴ビッグベンがしばらく見れなくなるかもしれない』の記事でも書いていましたが、ビッグベンの鐘が老朽化のため、大規模な修繕工事がはじまります。 […]