仕事や勉強をしているときに余計なことが頭にあれば、それだけ集中力は妨げられています。
集中力を高めて作業を効率的にこなすためには、雑念を取っ払う必要があります。
『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術』の著者によると、雑念には4つの原因があると考えられます。
- 物による雑念
- 思考の雑念
- 人による雑念
- 通信の雑念
これらの雑念の原因について説明していきます。
物による雑念
部屋が散らかっている、机の上に色々な物が散乱していまっているという状態は、おそらくどこに何があるか自分でわかっていない状態で、必要なときに必要なものがすぐ見つかりませんし、そこから雑念が生まれます。
ビジネスマンが1年間で探し物に費やす時間は約150時間だそうです。
仕事中にいちいち探し物をしていればそのたびに集中力が途切れます。いったん途切れた集中力が元に戻るのには、15分はかかると言われているので、実際は150時間以上の時間を無駄にしているということ。
物による雑念を解消するには、当然のことながら整理整頓です。
天才の机は汚いということをよく聞くかもしれません。たしかに散らかっている環境のほうが創造性が発揮されるなんてこともいわれますが、時間を効率よく使うという意味では、綺麗に整頓されていて、どこに何があるかわかる状態のほうがいいです。
それぞれの物ごとに置く場所を決めておけば迷わずにすむので、物がないという理由で集中力は途切れなくなります。
思考による雑念
するべきことがたくさんあると、色々と考えてしまって、目の前の作業に集中できなくなります。これが思考による雑念です。
頭の中にいくつも気になることが浮かんでしまったら、一度すべて書きだすことをおすすめします。
旧ソ連の心理学者であるツァイガルニクという人は、いつも行くカフェで、ある発見をします。
それは、カフェの店員は客の注文をメモをとらずに何人分も正確に記憶しているのに、注文の品を出した途端、その内容をすべて忘れてしまうということです。
これはその人の名前をとって、ツァイガルニク効果と呼ばれているのですが、目標が達成されていない未完了な課題についての記憶は、すでに完了した課題についての記憶よりも思い出されやすいことを意味しています。
要するに、まだしていないことは覚えているのに、終わってしまえば忘れやすいということ。
この効果を利用して、思考による雑念が出たら、すべて書き出してしまって完了形に変えるのが効果的です。
人による雑念
家で仕事をしている人やフリーランスに多いかもしれませんが、人による雑念はけっこうあります。
他の人に声をかけられたり、電話がかかってくると、集中力が途切れてしまいます。
やむを得ない場合もありますが、本当に集中したいときは、誰もいない集中できる空間で缶詰状態になって作業をするのをおすすめします。
通信による雑念
携帯やスマホが近くにあることによって、ついついラインやSNSを見てしまったり、全くもって集中できなくなります。
インターネットのいいところでもあり悪いところでもあるのは、情報があまりに多すぎるということ。
注意力がかなり散漫になりますし、ひとつの文章を読んだら関連記事で他の記事が目に入ってしまったり、広告をクリックしてしまったり、使い出すとついつい時間が経ってしまい、するべきことが全然進んでいないということにもなりかねません。
なのでスマホの電源なども切っておくのが、雑念を取り払う上では必要かなと思います。
雑念を振り払えない理由
雑念が振り払えない、それは前頭葉が疲れている証拠です。
前頭葉というのは、考えを切り替えたり、思考を継続させたりする役割があり、その中でも「セロトニン」という脳内物質が深く関係しています。
疲労やストレスが溜まってくると、前頭葉の機能は低下してしまい、雑念が振り払えない状態になってしまいます。
今回紹介した4つの雑念を解消するのももちろん大事ですが、普段から前頭葉の機能が低下しないようにするのにも気をつけるべきです。
前頭葉の機能アップのため、セロトニンを活性化させるには、陽の光を浴びたり、運動をしたり、食事でよく噛むことが有効です。
当たり前のことですが、こうやって疲労やストレスを解消しつつ、セロトニンを活性化させることで、雑念に振り回されることなく、集中して作業に取り組むことができます。
参考書籍
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