2018年11月14日から16日までの3日間、インテックス大阪で西日本最大級のスポーツ・健康産業総合展「SPORTEC WEST 2018」が開催されました。
SPORTEC WESTでは、主にスポーツ用品やフィットネスマシン、健康器具、その他様々なスポーツ関連サービスを扱う企業が出展していて、来場者のほとんどはスポーツ関連企業や施設運営者、小売業、スポーツ団体、選手などです。
実際にその場で見積もりや導入の相談、受注など、商談も行われるのですが、一般の人や学生でも見に行くことができるので、僕も1日だけ行ってきました。
当日券は2,000円かかりますが、事前に予約しておけば無料です。あとは名刺が2枚必要。
一応今回「SPORTEC WEST 2018」に行った目的としては、スポーツテック関連の商品やサービスはどういうものがあるのか知りたかったからなので、気になったものをいくつか紹介します。
シュミレーション野球「PERFECTION」
これは元プロ野球選手と野球ゲームシステムの専門エンジニア集団との協力によって開発されたというシュミレーション野球「PERFECTION」。
自動化のティーバッティングなのでボールが出てきて、それを打つだけ。
あとは、目の前のスクリーン上に自分の打球が映し出されます。
打球速度・打球角度・飛距離・打球分布図を測定することが可能で、バッティングの分析やトレーニングに役立ち、日本プロ野球全12球団にも導入済みだといいます。
トレーニングだけでなく、ホームラン競争や得点を競い合うモードなど、ゲーム性も兼ね備えているため、一般の人でも楽しめるみたい。
みんな実際にシュミレーション野球を試していました。
遺伝子分析サービス「IDENSIL」
個人的にけっこう面白そうだなと思ったのが、遺伝子分析サービスの「IDENSIL」。
運動や健康、美容など様々な目的に合わせて遺伝子を分析。例えば運動なら筋肉や怪我のリスクを調べることで競技力の向上に活用でき、体脂肪や血圧などを調べれば健康管理にも役立ちますし、肌の老化や血行などを調べれば美容にも生かすことができます。
人の見た目や体の調子、パフォーマンスは体質や生活習慣から成り立っており、同じような生活習慣を送っていても体質が違えば、運動や健康、美容は人それぞれ違います。
そして人の体質を決めているのが遺伝子。
あの人がこういう物を食べているから私も食べようとかではなく、人それぞれ違うんだから自分に合ったことをするべきだというのは思いますし、僕も最近は自分の体のことを知ることが大事だと常々思っていました。
遺伝子を知るということは自分の体質を理解することです。
自分の体質を理解すれば、それに合った効率のいい食事や運動方法を知ることができます。
「IDENSIL」は一般家庭向けではなく、スポーツ団体、ジム、フィットネスクラブ、エステサロンなど、スポーツ・健康・美容関連の対面型ソリューションを持っている企業が対象だといいます。
個人的には今すぐにでもしたいんですけど。
e-sports専門のメディカルトレーナーチーム「ESMS」
最近テレビでも取り上げられることが増えてきたeスポーツ。
エレクトロニック・スポーツのことで、簡単にいうとゲーム対戦なんですけど、スポーツとしてオリンピックの正式種目に採用されるという話も出ています。
まぁeスポーツに関してはスポーツじゃないとか色々賛否両論あるのですが、世界的に見れば大きな市場規模で、多くの企業が参入したり、大きな注目を集めています。
日本でもeスポーツ連合が設立されたり、プロライセンスを発行したりしています。
そんなeスポーツに特化したメディカルケアを行うESMS(e-Sports Medical Support)のブースがありました。
プロゲーマーやクリエイターなど目の疲れや痛みに対して、鍼灸師や柔道整復師、栄養士などあらゆる職種の人が、眼精疲労に特化された施術、トレーニング、栄養のサポートをしているとのこと。
プロチームである「SCARZ」とメディカルパートナー契約を結んだり、大阪のプロチーム「CYCLOPS」と共同イベントを行ったりしているみたいです。
SPORTEC WESTでは眼精疲労の施術体験を行っていました。
映像分析ソフト「DARTFISH」
映像分析ソフト「DARTFISH」はワールドカップロシア大会でも活用されたもので、ベンチからのリクエストや重要なイベントシーンをアナリスト席からベンチに配信していたそうです。
実際に少し「DARTFISH」を見せてもらうと、プレーの映像を他の選手と重ねたり、腕の角度などを描画する機能がついていました。
こういった映像分析システムは今やスポーツチームには欠かせないもので、これからさらに映像の精度なども上がりそうです。
トレーニングメガネ「Visionup」
トレーニングメガネ「Visionup」は”見るチカラ”を鍛えるために開発された世界初の目のトレーニング機器。
動体視力や周辺視、目と手の協応動作などスポーツに必要な見るチカラを年齢やレベルに関わらず向上・回復・維持するメガネみたいです。
どういうものかというと、レンズに点滅する特殊な液晶パネルを搭載していて、このメガネをつけてボールをとったりするだけで見るチカラが養えるということです。
実際にこのメガネを装着して、お手玉でキャッチボールしてみたんですけど、少し捕りづらくて、メガネのレンズが高速で点滅しているので、ボールに集中しなきゃと思って目を見開くような感じになりました。
レンズの点滅がチカチカするので「これは目に良いのかな?」とか思ったりしましたが、おそらくそういった研究もされているのでしょう。
サッカー選手や野球選手、テニス選手などが利用し、視覚機能、パフォーマンスが向上したという実証データもあるみたいです。
1回15分を週に3回、3ヶ月続けることで、集中力や予測力が高くなるなど、効果が現れるとのこと。
たしかにスポーツにとって見るチカラっていうのはかなり大事ですし、アスリートは特にそういった部分が優れているように思います。
ワイヤレス脈拍計「MiKuHa」
出典:イヤーセンサー式脈拍計「MiKuHa(ミクハ)」プロトタイプ完成| ミズノ
体に取り付けてあらゆるデータを計測できるウェアラブル製品も最近よくあります。
スポーツだけでなく、医療施設や建設現場などでも、運動量や体調管理の把握のために導入しているところもあります。
ウェアラブル製品の多くは、チェストタイプ、腕時計タイプが主流ですが、ミズノのワイヤレス脈拍計「MiKuHa」は耳たぶに装着するイヤータイプです。
チェストタイプ、いわゆる胸に取り付けるタイプのものは計測精度が高いけど締め付けが気になったり、複数人で使う場合は他の人の汗など、衛生面が気になるなどのデメリットがあり、腕時計タイプは簡単に取り付けられるが、個人差や装着方法によっては計測精度が落ちるとのこと。
そこで開発されたのが耳に装着するタイプ。運動時の違和感をできるだけ少なくし、独自のアルゴリズムにより運動時の振動によるノイズを除去しているといいます。
また、太陽光が計測精度に影響を与えるらしいのですが、光が入りにくい特殊設計になっているため、腕時計タイプと比べて屋内外問わず高精度なデータ計測を可能にしています。
ただ、個人的には耳たぶに付けて運動するってちょっと違和感。イヤホンみたいに耳に入っているとあまり気にならないと思うんですけど、耳たぶに付けるのはちょっと抵抗があります。
実際に試してないんでなんとも言えないですが。
「MiKuHa」では複数人のデータを同時に処理でき、スマートフォン1台につき最大6名まで接続が可能でだといい、7人以上の場合はビーコン中継器というもので連携して、遠隔での計測や、環境センサー・医療機器など様々なIoTデバイスとの連携が可能だということです。
次世代型姿勢分析システム「peek a body」
出典:Peek A Body
姿勢を分析するシステム「peek a body」もけっこう高性能かつ色々なデータが可視化されて面白そうでした。
あらゆる角度から撮影し、そのデータが表示されます。
筋肉の硬縮・過伸長を高精密3D C.Gで表示されたり、筋肉緊張レベルも5段階で色分けされていてわかりやすく表示されます。
骨格のゆがみもわかり、日常生活を送る上で予測される体調不良の危険度もリスク指数で表示されるとのこと。
試してみたかったのですが、何人か順番待ちだったので諦めました。
テクノロジーによってさらに伸びるスポーツ業界
SPORTEC WEST 2018では様々なスポーツ関連企業が出展していて、色々な形でスポーツ業界に関われるのだなと感じましたし、これからスポーツ業界はもっと盛り上がるだろうと思いました。
中でも特に注目しているのはスポーツテック。スポーツとテクノロジーを掛け合わせた言葉で、テクノロジーによってスポーツに新しい付加価値を創造したり、新しいビジネスモデルを構築することをいいます。
選手の動きをデータ分析したり、VRでスポーツ観戦をしたりと、スポーツの楽しみ方や競技の向き合い方がテクノロジーによって大きく変わりつつあります。
僕は、スポーツテックのニュースサイトを運営することで、日々スポーツテックの情報を追いかけていますが、スポーツ業界でも毎日色々な動きがあるなというのを感じています。
きっとスポーツテックのスタートアップ企業も増えてくると思いますが、僕も何かしらスポーツ業界に携わりたいので色々考え中。
今からスポーツ選手になるのは無理ですけど。スポーツ業界のために何かできることはあるんじゃないかなと思います。
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