WEBの本

商品を売るな!コンテンツマーケティングで「見つけてもらう」仕組みをつくる

著者:宗像 淳(株式会社イノーバ代表取締役社長)
出版社:日経BP社
発売日:2014/12/25

商品を売るな!と表紙にでかでかと書いてある印象的なこの本はコンテンツマーケティングの本です。

コンテンツマーケティングについてはこのサイトでも何度か記事を書いていますが、要するに商品を売ることを第一に考えるのではなく、業界のことや知識・ノウハウを提供して、ブランドや商品を顧客の方から見つけてもらおうという考えに基づいたマーケティングの手法のこと。

コンテンツマーケティングがどういうものか本書にはさらに詳しく書かれていて、なぜコンテンツマーケティングが必要なのか、その重要性と成功事例、そして実践方法までわかる内容となっています。

商品を売らない理由

商品を売らない理由として、以下の8つの理由が挙げられていました。

  • 広告宣伝費を抑えられる
  • オピニオンリーダーになれる
  • 顧客に嫌われる
  • 顧客とのコミュニケーションが生まれる
  • 顧客のロイヤリティを高められる
  • ターゲットが絞り込みやすくなる
  • 情報を自然に拡散できる
  • 顧客の反応が検証しやすくなる

この「商品を売らない8つの理由」=「コンテンツマーケティングをするメリット」と考えていいと思います。

今までのような商品を売り込む手法と比較すると、コンテンツマーケティングに取り組む利点はこれだけあるということです。

商品を売ることを課されたセールスマンは商品の売り込みに必死になり、興味を持ってもらえない顧客からは嫌われていたのが実情でした。

その点、コンテンツマーケティングなら顧客に嫌われるどころか、顧客との間にコミュニケーションが生まれ、信頼してもらえるようになります。

また、多額な費用をかけて広告を打ち出して宣伝しても効果が得られないようになっていたのが、広告費を抑えられながらも、自然と多くの人に宣伝をかけることができるようになるんです。

コンテンツマーケティングを実践する

コンテンツマーケティングには大きな効果がありますが、それを実践するのは簡単なものではありません。

目標やターゲットを決め、スケジュール管理をしっかり行いながら、継続的にコンテンツを制作・発信し、指標となるものに沿って都度改善をしていく必要があります。

コンテンツは質の高いコンテンツでないといけません。取り扱うコンテンツもブログや動画、Eブックなど色々あります。

短期間で成果を得られるものではなく、長期的な視点で取り組む必要があるので、かなりの忍耐力を求められます。

ですが正しい方法で実践し、長く続けていけば、いい結果に繋がると思います。

コンテンツマーケティングの国内・海外事例

コンテンツマーケティングの効果や実践方法だけでなく、実際の国内企業や海外企業の成功事例も載っています。

国内企業は6社、海外企業は7社紹介されていて、いずれの企業もコンテンツマーケティングを実践したことで、大きな成果を残しています。

たとえば国内の事例だと、メガネやサングラスをインターネットで販売しているオーマイグラスという企業。

海外だとメガネはファッションの一部として消費者の関心が高いのに対して、日本人はメガネへの関心が低く、メガネブランドのこだわりやストーリーなどの情報がほとんど発信されていなかったといいます。

そんななか、メガネをテーマにした情報サイトを立ち上げ、コンテンツマーケティングに取り組んだところ、購入者が増え、そのうちの20%は情報サイトの購読者なのだとか。

商品情報やコラム、作り手の思いやこだわりを紹介するなど、メガネに関する価値ある情報を提供し続けたことが、通販サイトへのアクセス増加につながり、結果的に多くの新規購入者やリピーターを獲得できるようになった、いい例です。

個人ブログにも活かせる考え方

コンテンツマーケティングは必ずしも法人の企業に限ったことではなく、個人のブログであっても同じことがいえます。

日々の出来事を書いていく日記的なブログであれば必要ないかもしれないですが、「ブログのアクセスを増やしたい」「ブログを通じて仕事を依頼されるようになりたい」と考えているのであれば、こういったコンテンツマーケティングの考え方はとても役に立ちます。

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