商品を売るのではなく、役立つコンテンツを提供することで関心を持ってもらい、最終的に商品を買ってもらうための取り組みをコンテンツマーケティングといいます。
コンテンツマーケティングについては、『コンテンツマーケティングとは?商品を売らずに見つけてもらう仕組み』で書いているのですが、それを成功させるためには具体的にどのような流れで進めればいいのか。
5つのステップで考えたいと思います。
ゴール(目標)を決める
まずコンテンツマーケティングを実践するにあたって、はじめのステップ。
それはゴール(目標)の設定です。
コンテンツマーケティングをすることで、最終的にどういう結果を残したいのか。目指すべきゴールを設定して、そのゴールに合わせて戦略的にコンテンツを用意する必要があります。
なぜならゴールは企業やブランドによって違うはずだからです。
ブランドの認知度を上げたいと思っているところもあれば、もう認知度はあるから、リピーターの顧客を増やしたいというところもあると思いますし、顧客のリード情報(氏名・連絡先など)をより多く獲得したいと考えているところもあると思います。
ゴールによって立てる戦略というのは変わってくるので、まずはゴールを決めるのが重要です。
ペルソナ(ターゲット)を設定する
ゴールを設定したら、次にすべきことはペルソナの設定です。
ペルソナとは、こういう人が商品やサービスを購入するだろうという架空の人物像のこと。つまりターゲットとして想定している人のことです。
この商品やサービスは誰をターゲットとしているのか、それを設定することで、その人に合ったコンテンツをつくることができます。
これが曖昧だと、ユーザーのニーズと提供するコンテンツにズレが生じてしまい、うまく伝わらなくなります。
ペルソナの設定は、ざっくりというよりもできれば具体的に決めれば理想的です。
たとえば、何歳でどういう仕事をしていて、休みの日にしている趣味などは何か、また他にどういったものに興味や関心があるのかなど、基本的な属性(性別・年齢)だけでなく、性格や生活パターンなどわかる情報はなるべく盛り込みます。
そのためにはまず調査が必要です。話したりアンケートを取ったりするのもひとつの方法ですし、すでに既存の顧客がいたらそのデータから分析するのもいいと思います。
調査したデータをもとに、なるべく具体的なペルソナを設定しましょう。
必要なコンテンツを用意する
ゴールを設定し、ペルソナを設定したら、それに合わせてコンテンツを用意します。
しかし、顧客がどのような状態にあるのかによって、用意すべきコンテンツは異なります。
カナダのマーケティング支援企業であるパワードバイサーチ(Powerd by Search)が提案しているコンテンツの整理方法を紹介します。
それはなにかというと、購買ステージには「認知」「評価」「購入」という3つのフェーズがあり、そのフェーズに合ったコンテンツを用意するということ。
認知フェーズ
認知フェーズとは、まだ顧客が色々な情報を集めている段階のことで、そのときに自社の商品やサービスを見つけてもらったとして、いきなり商品の仕様とか魅力を説明しても当然買ってもらえないわけです。
そういう段階の人に提供すべきコンテンツは、初心者向けのガイドだったり、ハウツー資料、あるいは業界知識が得られるような記事です。
コンテンツマーケティングにおいては、一番情報量が多いコンテンツを用意しないといけないのがこの認知フェーズですが、ブランドのことも認知してもらうチャンスなので、その分とても重要です。
評価フェーズ
次に評価フェーズ。
ある程度業界の知識はついている状態で、自分に合った商品やサービスはどれだろうと、色々比較している段階のことです。
このフェーズにある人に対しては、この商品は他社の商品と比べてこういう違いがあり、あなたにぴったりですよということを伝えるためのコンテンツが必要です。
それは商品やサービスの効果を示すデータだったり、実際に購入した人の声、サービスの導入実績だったりがいいかなと思います。
購入フェーズ
最後に購入フェーズ。
これはもう最終段階です。知識もあるし買いたいと思っている人。
こういう人に対しては、初回割引サービスを行ったり、無料でなにか付けたり、お試し期間を設けたり、購入する気持ちを一押しできるようなコンテンツを用意すればいいでしょう。
エディトリアルカレンダーを使ってスケジュール管理
コンテンツマーケティングは長期間にわたって取り組む必要があり、継続的にコンテンツをつくっていくと、スケジュール管理が煩雑になりやすいです。
特にチームで行うとなると、それぞれの役割分担や進捗状況が目に見える形でわかった方がいいですよね。
そういったスケジュール管理に使えるツールがエディトリアルカレンダーとよばれるもの。
エディトリアルカレンダーにはコンテンツを公開する日付、そのコンテンツが想定しているペルソナ、コンテンツの制作担当者などを記載することで、誰がいつまでにどのコンテンツをつくるのかというのを把握するのに最適です。
当然それはチームで共有して、みんなが見れるようにすること。
進捗状況がわかりやすいので、スケジュール通りにいっていなかったら、なぜうまくいっていないのか、戦略を立て直すこともできますし、長期的な目線でコンテンツの制作・発信していくには必要なツールだと思います。
エディトリアルカレンダーはインターネットでフォーマットをダウンロードできるサイトがあったりするので、必要であれば調べてみてください。
KPIを測定して改善していく
最後のステップはKPIの測定です。
KPIとは(Key Performance Indicator)の頭文字をとった言葉で、重要業績評価指標という意味があります。
少し難しそうな言葉ですが、簡単に言えば、目標を達成できているかを測るための指標のことです。
指標はたとえば、ページビュー・ユニークユーザー・クリック数・直帰率・滞在時間などがあります。
指標といってもたくさんあるので、そのなかでどの指標を測定するかは、最初のステップで設定したゴール(目標)によります。
ブランドの認知度を上げるのがゴールであれば、コンテンツのページビュー、ユニークユーザーの数だけでなく、ソーシャルメディアにおいてフェイスブックやツイッターでどれだけフォロワー数が増えたかというのも指標のひとつでしょう。
リード情報の獲得をゴールに設定していれば、当然どれだけリード情報を獲得できたのか件数が指標となるはずです。
こういった指標(KPI)を測定することで、もっと高い成果を出すためにはどうすればいいのか考え、改善していかないといけないんです。
コンテンツマーケティングで大切なこと
コンテンツマーケティングを成功させるための5つのステップを整理するとこのようになります。
- ゴール(目標)を決める
- ペルソナ(ターゲット)を設定する
- 必要なコンテンツを用意する
- エディトリアルカレンダーを使ってスケジュール管理
- KPIを測定して改善していく
基本的にはPDCAサイクル(Plan計画→Do実行→Check評価→Act改善)と考え方は同じかなと思います。
目標やターゲットとなる人を決めて計画を立て、コンテンツを作る。そしてその成果を評価しながら改善していくというのが、コンテンツマーケティングで成功するためには必要です。
そして一番肝となるのは、どれだけ顧客やユーザーのことを考えられるかだと思います。
ユーザーがどのような情報を求めていて、どういった形で役立つ情報を伝えることができるのか、どうすれば満足してもらえるのかというのを考えなければいけません。
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