Webマーケティングを成果へ結びつけるためには戦略が大事です。
『Webマーケティングが成果につながらないたった一つの理由』でも書いていますが、Webマーケティングを行っているのに成果が出ないのは戦略がちゃんと立てられていない可能性が高く、お客さんから選ばれる理由をうまく伝えられていないからです。
お客さんから自社の商品やサービスを選んでもらう理由をつくる方法は、お客さんや競合のことを調べて分析することだと言いました。
その考え方は3C分析というフレームワークに近いと思います。
3C分析とは
3C分析は以下の3つの言葉の頭文字を取ったもので、今やマーケティングには欠かせない手法のひとつです。
- Customer(市場・顧客)
- Competitor(競合他社)
- Company(自社)
3C分析を行うことで、Webマーケティングを進めるにあたって、何をすべきかがよくわかり、戦略を立てやすくなります。
3C分析における3つのC(顧客・競合・自社)について順番に説明していきたいと思います。
Customer(市場・顧客)
Customer(市場・顧客)は商品やサービスを提供するターゲットセグメントのこと。
簡単に言うと、お客さんです。
お客さんと一言でいっても、色々な人がいるので、人によって求めているものは当然違います。
市場状況を分析し、それぞれどのような価値を求めているお客さんがいるのか、それを調べてターゲットにすべきお客さんを絞ります。
ただし、ターゲットの幅が広すぎてはいけません。
たとえば「コーヒーが好きな人」をターゲットにしても、その中には苦味の強いコーヒーが好きな人もいれば、酸味の強いコーヒーが好きな人もいますし、コクがあるコーヒーが好きな人もいます。
ターゲットは思い切って狭く絞った方が、効果的にWebマーケティングを行えるはずです。
市場や顧客の分析によく使われる以下の3つの手法についても紹介しておきたいと思います。
- マクロ分析
- ミクロ分析
- 顧客分析
マクロ分析
マクロ分析とは、景気の変動、法改正、人口変化、インフラなどの外部要因を分析して、経済社会の動きや変化を見出すために行われるものです。
効率よくマクロ分析をするために用いられる代表的な手法がPEST分析といわれるもの。
- Politics(政治面)
- Economy(経済面)
- Society(社会面)
- Technology(技術面)
PEST分析とは上記の4つの単語の頭文字を取ったもので、それぞれの分析を行うことで社会の変化がわかるんです。
Politics(政治面)は法律の改正や政権交代、デモなどの政治面の要因を分析し、Economy(経済面)は経済成長や個人の消費動向、株や為替の動き、物価などの経済指標を分析。
Society(社会面)は少子高齢化などの社会現象を分析し、Technology(技術面)はIT技術やインフラなどテクノロジーの分野を分析します。
ミクロ分析
ミクロ分析はマクロ分析の反意語として使われるもので、業界の構造の変化が自社のビジネスに対してどのような影響があるのかを見出すために必要な分析です。
価格の決め方や消費者の消費動向などについて分析します。
ミクロ分析で代表的な手法はファイブフォース分析といわれるもの。分析すべき競争要因となるのは以下の5つの要因です。
- 業界内の競争
- 買い手の交渉力
- 売り手の交渉力
- 代替品の脅威
- 新規参入の脅威
顧客分析
顧客分析では、マクロ分析やミクロ分析の結果をもとに、顧客の価値観やニーズが業界の環境変化によってどのように変わるのかを調べるためのものです。
たとえばアンケート調査などですね。
顧客分析を行うことによって、顧客の動向がより詳しく把握できます。
Competitor(競合他社)
Competitor(競合他社)が提供している商品やサービスというのは、お客さんが自社の商品・サービスと比較しているものです。
他社のことを知ることが、自社の強みを知ることでもあります。
ただし、お客さんはいろいろなものと比較している可能性があるということを知っておかないといけません。
たとえばコーヒーを買おうとしているお客さんがいるとします。そのお客さんが比較するのは他社のコーヒーかもしれないですけど、もしかしたらコーヒーだけじゃなくて、紅茶とか他の飲み物と比較している可能性もあるということです。
そのためCustomer(市場・顧客)の分析でお客さんの求めている価値やニーズをよく把握して、比較対象となるものを見極めるようにしましょう。
また、競合他社の成果やそのリソースについても調べる必要があります。
成果というのは売り上げ・利益率・コスト・販売管理費用などです。
リソースはROE(株主資本利益率)や1店舗あたりの売り上げ、顧客1人あたりの売り上げなどを調べることによって、どのくらい効率的に使われているのかを把握します。
Company(自社)
Company(自社)は自社分析、つまりどういった強みで勝負するかを考えるということ。
Customer(市場・顧客)とCompetitor(競合他社)の分析に基づいて、自社の分析を行います。
どのように市場が変化し、それに顧客がどのように対応しているのか、競合と自社を比較しながら、立地や原料、今までの経験や技術など、競合とは違う特徴を探して強みとします。
自社分析を行うのに有効なのがSWOT分析。
SWOT分析
SWOT分析とは、自社を取り巻く環境だったり、自社の現状を以下の4つの要因から分析するという方法。
- Strength(強み)
- Weaknesses(弱み)
- Opportunities(機会)
- Threats(脅威)
自社の経験や技術など強みとなる部分を分析するとともに、コストがかかりすぎていたり、リソースを効率よく使えていないなどの弱みも分析することが大切です。
また、どういった環境の変化が自社にとってチャンス(機会)となるのか、逆にこうなると危険(脅威)だということも考えておく必要があります。
自社分析において、もう一つVRIO分析というものがあります。
VRIO分析
VRIO分析は、自社の経営資源に基づく競合優位性を分析するための手法。
- Value(経済価値)
- Rarity(希少性)
- Inimitability(模倣困難性)
- Organization(組織)
自社の経営資源が経済的に価値あるもので、競合他社にはないような希少性を持っていて模倣が難しいかなど、これらの要素を分析することで、自社のことがよくわかると思います。
ベネフィットと差別的優位点
この記事で紹介した3C分析を行い、それぞれの関係を整理した上で、お客さんに提供できる価値(ベネフィット)と競合他社とは違う差別的優位点を明確にすることが大切です。
また、差別的優位点というのは、好ましい違いでないといけません。
たとえば、健康サプリを買いたい人をターゲットにしているときに、競合他社とは違う健康成分が入っているというのは良い違いであり自社の強みになりますが、競合他社の商品には入っていない美容成分が入っていますと言っても、美容サプリではなく健康サプリを求めている人にとっては大きなベネフィットではないので、良い違いとは言えないのです。
お客さんが求めているものかつ競合との違いを見つけることがWebマーケティングを成功させるためのポイントで、3C分析によって明確になったベネフィットと差別的優位点を伝えるために、サイトのコンテンツやメインビジュアル、ページタイトル、広告文などをつくっていく必要があります。
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