デジタル一眼レフカメラはどういったもので構成されているのか、そしてそれぞれの部品にはどのような役割があるか知っていますか?
デジタル一眼レフカメラが他のカメラと何が違うのか知りたい人はまず【デジタル一眼レフカメラとは?コンデジやミラーレスカメラとの違い】を読んでみてください。
デジタル一眼レフカメラの特徴を知ったら、次に理解してほしいのは一眼レフカメラの構造と役割についてです。
デジタル一眼レフカメラの構成と役割
デジタル一眼レフカメラは基本的に以下の部品によって構成されています。
- シャッターボタン
- ペンタプリズム
- 光学ファインダー
- 撮像素子
- シャッター
- 内臓露出計
- ミラー
- 絞り
- レンズ
それぞれどのようなものなのか順番にご説明します。
シャッターボタン
説明するまでもないかもしれませんが、シャッターを切る(写真を撮る)ときに押すのがシャッターボタン。
シャッターボタンは2段階で押し込むようになっていて、最初に軽く抵抗があるところまで押して止めます。
その状態を「半押し」といい、半押しにすることでAF(オートフォーカス)によってピントを合わすことができます。
ピントを合わせたら「全押し(最後までボタンを押す状態)」をしてシャッターを切るだけ。
一回でシャッターを切ろうとするとピントが合わずにブレてしまったりするので、一度半押しでピントを合わせてからシャッターを切る方がいいと思います。
ペンタプリズム・ペンタミラー
レンズを通してフォーカシングスクリーンに投影される像は上下左右が逆になっている倒立像なので、ファインダーで見たときに正像になるようにするためには光を複数回反射させる必要があります。
その役割を担っているのがアルミや銀などの金属を蒸着加工したペンタプリズムとよばれるもの。
カメラの機種によってはペンタプリズムの代わりにペンタミラーを用いることもあります。
ペンタプリズム
ペンタプリズムは5角柱7面体の形をしたガラス。
カメラ本体の上部に取り付けられる場合が多く、ミラーで反射した光をさらに複数回反射させることで、正像をファインダーに映し出します。
ペンタプリズムは非常に優れた光学ガラスですが、その製造には高い精度、品質を求められるため、生産コストが高くなってしまうというデメリットも。
ペンタミラー
ペンタプリズムの代わりに使われることもあるのがペンタミラーとよばれるもの。
メーカーや機種によってはダハミラーやミラーペンタともいいます。
基本的にはペンタプリズムと同じような原理ですが、光の反射のさせ方などには少し違いがあるのだとか。
ペンタプリズムよりも軽量化が容易ですが、少し精度が落ちてしまうというデメリットがあります。
光軸のずれが生じやすいとかで、ファインダー越しに見えるものと実際の写真の出来上がりとは多少異なってしまうので注意が必要。
光学ファインダー
ファインダーとは撮影するときに撮影範囲を確認する覗き窓のことで、光学ファインダーと電子ファインダーの2種類があります。
基本的に一眼レフカメラに使用されているのは光学ファインダーの方。
電子ファインダーはレンズを捉える被写体の像をデジタルデータに変換してファインダーに映し出すのですが、光学ファインダーはミラーやペンタプリズムなどの光学系部品を用いて、レンズが捉える像を直接ファインダーに映し出します。
そのためファインダーを通して見る被写体の動きにはタイムラグが生じないというメリットがあり、フレーミング(撮影範囲や構図の決定)やフォーカシング(焦点合わせ)を行いやすくなっています。
カメラの機種によっては、ファインダー内に露出情報・ストロボ情報・AF情報など様々な設定が表示されます。
撮像素子(イメージセンサー)
撮像素子はレンズを通して入ってきた光を電気信号に変換するための電子部品。
CMOSやCCDといった種類があり、一眼レフカメラにはCMOSセンサーが、コンパクトデジタルカメラなどにはCCDセンサーが使われていることが多いようです。
撮像素子には大きさがいくつかあり、その大きさによって画質の良さが決まるといっても過言ではありません。より大きい撮像素子の方が多くの光を集めることができ、高画質で綺麗な写真に仕上がります。
撮像素子には以下のような光学部品がセットされています。
- オンチップマイクロレンズ・・・集光効率を上げる
- カラーフィルター・・・色情報を取得する
- フォトダイオード・・・レンズを通して入ってくる光の強さに応じて電荷を発生させる
- IRカットフィルター・・・色の再現性に影響を及ぼす赤外光をカットする
- 光学ローパスフィルター・・・偽色やモアレ(画素の周期のずれによって発生する縞模様)の原因でもある空間周波数の高い成分を遮断する
シャッター
シャッターボタンを押してシャッターを切るわけですが、シャッターというのは露光装置のことを指し、開閉によってフィルムに当たる光の量を調節するという役割があります。
露光時間を調節できるのは遮光板があるから。
画面を覆っている遮光板がシャッターが開くときに動くことで露光を行っており、遮光板を構成する幕(先幕・後幕)の間のスリット幅を変化させて露光時間を調節しています。
このようにフィルムの直前に設置されている遮光幕で露光するものをフォーカルプレーン式のシャッターといって、一般的によく使われているタイプですが、他にも様々なタイプのシャッターがあります。
内臓露出計
光が撮像素子に当たることを露出といい、一眼レフカメラには被写体からの反射光の強さを測る露出計が内臓されています。
露出計があることで、写真の明るさが適正になるように露出をコントロールすることが可能になっており、その露出のコントロールはシャッターや後で説明する絞りと連動して行っています。
ミラー
ミラーは一眼レフカメラの特徴のひとつでもある、レンズを通して入ってきた光を反射させてファインダーまで導く役割を担っています。
ミラーによって光がペンタプリズムの方に反射され、ペンタプリズムでさらに光を反射させてファインダーに光が届くという仕組み。
露光中すなわちシャッターを切った瞬間にミラーが上がり光を反射させるため、その瞬間はファインダーで像を確認することはできません。
露光が終わる(シャッターを切った後)とすぐにミラーが下に戻るクイックリターンミラーが用いられています。
絞り
絞りというのはレンズを通る光の量を調節するもの。
明るさは絞り値(F値)と呼ばれるもので表され、値を変化させることで写真が明るくなったり暗くなったりと、明るさを調節することができます。
絞りには被写界深度(被写体の前後でピントが合っているように見える範囲)を変える役割もあります。
要はピントの合う範囲を調節することで、被写体のまわりをぼかしたりすることも可能だということ。
絞りの使い方次第で写真の出来栄えはかなり変わると思います。
レンズ
最後はレンズについて。一眼レフカメラはレンズ交換ができるので、用途に応じてマクロレンズや望遠レンズなど使い分けることができます。
絞りもレンズの内部にあり、機種によってはAF用モーターや手ブレ補正をするものがあるのだとか。
レンズは付けたり外したりすることができるわけですが、レンズとカメラのボディの結合部分をレンズマウントといい、レンズを固定するだけでなく、AFや露出制御に必要な情報を伝える大切な接点でもあります。
まとめ
デジタル一眼レフカメラを構成しているそれぞれの部品やその役割はざっとこのような感じです。
複雑に感じる一眼レフカメラの構造ですがそれぞれの役割が何なのか覚えれば、様々な設定を使いこなすことができるようになり、より自分が撮りたいイメージの写真を撮ることができるようになると思います。
[…] デジタル一眼レフカメラの構造や役割について知りたい人は【デジタル一眼レフカメラの基本的な構造とそれぞれの役割について】の記事も読んでみてください。 […]
[…] 一眼レフカメラにはレンズを通る光の量を調節する「絞り」があります。 […]
[…] 一眼レフカメラでは撮像素子(イメージセンサー)が取り込んだ光を電気信号に変える役割を担っていますが、ISO感度を上げるということは、この電気信号が増幅するということ。 […]
[…] つまりシャッターが開いて撮像素子(イメージセンサー)に光が当たっている露光時間のことです。 […]
[…] 絞りとはレンズを通して入る光の量を調節するもので、その値のことをF値とも言ったりするのですが、F値が小さいと被写界深度は浅くなり、F値が大きいと被写界深度は深くなります。 […]
[…] 撮像素子(イメージセンサー)に光が当たることを露出といいます。 […]
[…] カメラ内部にある撮像素子(イメージセンサー)に光が当たることを露出といいます。 […]
[…] カメラのレンズを通って取り込んだ光は撮像センサーによって電気信号に処理されます。 […]