写真の基礎知識

一眼レフカメラのレンズにおける焦点距離と画角の関係性

一眼レフカメラのレンズにおいてまず知っておきたいのが「焦点距離」と「画角」について。

焦点距離が短かったり長かったりすると、画角も広くなったり狭くなったりするなど、大きな関係性があります。

焦点・焦点距離とは?

焦点距離と画角の関係性について説明する前に、まずは焦点と焦点距離についてご説明します。

焦点とは光がカメラのレンズによって反射・屈折して一点に集まる点のこと。

焦点と合焦
要するにピントのことで、ピントが合っている状態を合焦といいます。

焦点距離
焦点とレンズとの距離が焦点距離とよばれるもの。

焦点距離は◯◯mmというような数値で表され、カメラのレンズに書かれています。

一眼レフカメラのズームレンズ
これは僕が使っているcanonのeos8000dの標準レンズ。18-135mmと書かれていますが、これはこの標準ズームレンズの焦点距離が18mmから135mmまでのことを意味しています。

被写体までの距離と焦点距離について

物体とレンズの距離と焦点距離の関係
こちらの図は、レンズから被写体までの距離と焦点距離との関係性を示しています。

レンズより左側が被写体までの距離、レンズより右側が焦点距離だと思ってください。

レンズより左側にいる動物を見てみると豚が一番離れた位置にいますが、レンズより右側を見ると一番近い位置にいます。

反対にレンズから左側に一番近い位置にいる牛が、レンズより右側を見ると一番離れている位置にいるのがわかります。

つまり撮影する物体(被写体)がレンズから遠いほど焦点距離は短くなり、レンズに近いほど焦点距離は長くなるということ。

この関係性は後述する画角にも関係します。

焦点距離が変われば画角も変わる

画角というのは、撮像素子に写る範囲を角度で表したもので、焦点距離によって大きく左右されます。

ちなみに撮像素子とは光を電気信号に変えるもの。

イメージセンサーとも呼ばれる撮像素子は色々な大きさのサイズがあり、そのサイズによっても画角が違ってきますが、今回はイメージセンサーは同じサイズだという設定で、焦点距離を変えることで画角がどのように変わるかを試してみます。

まずは焦点距離だけ変えて撮影した数枚の写真をご覧ください。

eos8000dの標準ズームレンズに書かれていた焦点距離、18mm・24mm・35mm・50mm・80mm・135mmの6パターンを撮影しました。

焦点距離18mmで撮影した写真
まずは一番短い焦点距離18mm。被写体であるほこりまみれだったワンピースのルフィのフィギュアが少し遠いのがわかります。

焦点距離24mmで撮影した写真
次に焦点距離24mm。さっきより少し近づきました。

焦点距離35mmで撮影した写真
焦点距離35mm。これが一番いい距離感な気がします。

焦点距離50mmで撮影した写真
焦点距離50mm。近くなりすぎて足が写らなくなりました。

焦点距離80mmで撮影した写真
焦点距離80mm。近いですね。ほこりまみれだったというのがバレてしまいます。

焦点距離135mmで撮影した写真
そしてこのレンズでは一番長い焦点距離135mm。近すぎます。

このように焦点距離を長くしていくと、被写体により近づくことがわかりました。ルフィが写る範囲、これが画角です。

この仕組みについてわかりやすくするため図を用意しました。

焦点距離と画角の関係
焦点距離が短いほど画角は広くなり、画面に写る範囲は広くなります。

焦点距離が18mmで撮影したときにルフィのフィギュア全体が写っていたのは画角が広かったためです。

被写体が少し遠く感じたのは、豚や牛の図で、レンズから被写体までの距離と焦点距離との関係性について説明した通りです。

焦点距離が18mmと短かったために被写体が少し感じたんです。

このような広い画角になるレンズを広角レンズといい、立体感や遠近感が強調されるという特徴があります。

焦点距離と画角の関係
反対に焦点距離が長いほど画角は狭くなり、画面に写る範囲も狭くなります。

焦点距離が短い18mmのときはルフィのフィギュア全体が写っていたのに、焦点距離が長い135mmで撮影すると、ルフィの胴体部分ぐらいしか写らなかったですよね。

これは焦点距離が長くて、画面に写る範囲が狭かったからです。

画角は狭いですが、このように遠くにある被写体を近く撮影できるレンズを望遠レンズといい、立体感や遠近感が圧縮されたかのようになり、物体が大きく映ります。

そして広角レンズと望遠レンズの間にあたるのが標準レンズ。最も肉眼の視角に近い標準な画角で撮影することができます。

焦点距離と画角についてのまとめ

広角レンズのように焦点距離が短いと被写体までの距離は遠く小さく見えるが、画角が広いので、撮影したときに写る範囲は広くなります。

一方望遠レンズのように焦点距離が長いと被写体までの距離は近く大きく見えるが、画角が狭いので、撮影したときに写る範囲は狭くなります。

被写体までの距離が同じでも焦点距離を変えることで、写真の感じは大きく変わるので、焦点距離と画角の関係性について知っていれば撮影の幅も広がります。

また一眼レフカメラのレンズを選ぶときにも焦点距離に注目するようになるはずです。

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