写真の基礎知識

単焦点レンズを使えば写真がもっと楽しくなる!その特徴や使い方とは

単焦点レンズって知っていますか?

カメラを使っている人たちの会話を聞いていると、よく単焦点レンズの話が出てくるので、カメラを始める前からなんとなく「単焦点レンズ」という言葉は知っていました。

一眼レフカメラを買って使い始めて、少しずつカメラに慣れてきた頃、他のレンズも買ってみようかなと思って色々調べてみると、「初心者が次にレンズを買うとしたら単焦点レンズがおすすめ」みたいな言葉をよく見かけました。

「あ、みんながよく言っていた単焦点レンズはこれか」と。

単焦点レンズを使うと構図や撮り方のいい勉強になりますし、何より写真を撮るのがもっと楽しくなります。

単焦点レンズとは?

単焦点レンズとは焦点距離が1つしかないレンズのことです。

焦点距離はピントが合っているときの、レンズと撮像素子(イメージセンサー)との距離で、画角(撮影範囲)に関わってきます。

焦点距離と画角の関係については『一眼レフカメラのレンズにおける焦点距離と画角の関係性』を読んでください。

ズームレンズと呼ばれているものには、18-135mmのように、焦点距離の範囲があります。

一方で、単焦点レンズには30mmとか50mmというように、焦点距離が1つだけしかないんです。

どういうことかというと、要するに単焦点レンズは、ズームができないレンズだということ。

ズームができないなんて不便だと思うかもしれませんが、単焦点レンズを使うことには大きなメリットがあります。

単焦点レンズを使うメリット

焦点距離を1つしか持たない単焦点レンズはズームができないため、遠くにあるものを撮るときに、カメラのレンズでアップにしたりということができません。

自分が被写体に近づいたり、近すぎたら離れたりしながら、最適な画角で写真を撮れる距離感を調整しないといけないです。

ですが、単焦点レンズを使う人が多いのは、多くのメリットがあるからです。

暗い場所でも明るい写真が撮れる

単焦点レンズの特徴としてまず言えるのは、明るく撮れるレンズが多いということ。

カメラは光をカメラの中に取り込むことによって写真を撮れるのですが、カメラのレンズには絞りといって、取り込む光の量を調節する役割があります。

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F値(絞り値)でカメラのレンズを通る光量やボケをコントロールできる

絞り具合の値をF値や絞り値といい、F値が小さければ小さいほど、より多くの光を取り込めるので明るい写真を撮ることができるんです。

レンズの仕様を見ると、開放F値というものがあります。これがそのレンズで設定できる最小のF値です。

例えば、僕が初めて一番レフカメラを買ったときの標準ズームレンズと単焦点レンズの開放F値を比べると以下のようになります。(どちらもキャノンのレンズです。)

開放F値
標準ズームレンズ(EF-S18-135mm) F3.5-5.6
単焦点レンズ(EF 50mm) F1.8

つまり単焦点レンズの方が開放F値が小さく、その分明るい写真が撮れるということです。

動きのある被写体をブレずに撮れる

より多くの光を取り込める単焦点レンズは、シャッタースピードを速く設定することができます。

シャッタースピードを速くすることで、動いている被写体でもブレずに撮ることができるんです。

また、手ぶれの可能性を減らせるだけでなく、よりシャープで高画質な写真を撮ることができるというのも、単焦点レンズを使うメリットのひとつ。

背景を大きくぼかす表現ができる

被写体をくっきり写し、その周りや背景は大きくぼかす。そういう写真を撮りたいという人も多いと思います。

僕もそうでした。

背景ボケをうまく表現できるのも単焦点レンズの特徴です。

ボケた写真を撮るためには、F値を小さくして撮る必要があるからです。

ズームレンズでボケた写真を撮るのは難しいですし、被写体に寄り過ぎるとそもそもピントが合いません。

単焦点レンズを使えば、被写体に近づいてもピントが合い、なおかつ背景をぼかした写真を撮ることができます。

ズームレンズで撮影したダンボー
ズームレンズで撮影した場合。

単焦点レンズで撮影したダンボー
単焦点レンズで撮影した場合。後ろの箱がズームレンズで撮影したときと比べて少しですがボケているのがわかります。

撮る時の状況や撮り方でもっとボケを表現することができると思います。

軽くてコンパクトなので持ち運びも楽

Canonの単焦点レンズEF50mmF1.8STM
僕が使っている単焦点レンズは小さくてとてもコンパクト。(単焦点レンズの種類によっては少し大きいですが、重さは比較的軽いです。)

大きく重量感のある一眼レフカメラに付けると、ボディとレンズのギャップに最初は少し違和感がありましたが、軽くてコンパクトなのは、持ち運びなどを考えるととても便利です。

出かけるときもズームレンズと単焦点レンズをひとつずつ持っていけば、様々な撮り方が楽しめそうですね。

比較的安価で買える

カメラのレンズって高いので、色々な種類のものを買いたくてもなかなか買えないですよね。

数十万円するものも少なくありませんし、カメラのボディよりも高いので嫌になります。

単焦点レンズは比較的安価で買えるレンズで、高いものもありますが、安いものだと1万円代で買えます。

値段が安いというのは、僕がズームレンズ1つしか持っていなかったときに、2つ目のレンズとして単焦点レンズを選んだ理由のひとつでもあります。

構図や撮り方を学べる

暗い場所でも明るく撮れたり、動きのある被写体もぶれることなく撮れたり、背景ボケの写真を撮れたり、単焦点レンズを使うことで撮影の幅が広がることがわかりました。

これももちろん大切ですが、実際に使ってみて一番メリットを感じたのは、写真の構図を体験的に学ぶことができ、写真を撮るときの意識や撮り方が変わったことです。

慣れないうちは、無意識にズームをしようとしたりしていました。

でもズームができない単焦点レンズでは、被写体との距離は自分で動いて変えなければいけません。

そのため被写体に近づいたり、離れたり、写真を撮るのに足を動かす機会が増えました。

最初は面倒くささが勝っていたのですが、次第に被写体との最適な距離感をなんとなくつかめるようになってきて、「どのように撮ろうかな」と、色々な構図を自然に考えるようになっていました。

自分で動き、身体で自然と撮影の基礎を学ぶことができるのが、単焦点レンズがカメラ上達のために必要だといわれる理由かなと思います。

デメリットはレンズ交換の頻度が増えること

あまりデメリットは思いつかなかったのですが、あえて挙げるとするならば、レンズ交換の頻度が増えて面倒くさいことです。

常に単焦点レンズを使うというのもありかもしれませんが、被写体にこれ以上近づくことができないという状況など、単焦点レンズではなくズームレンズを使いたいときも多々あります。

そういうときにわざわざレンズを交換するのが少し面倒ですし、その間にシャッターチャンスを逃してしまうかもしれません。

とはいえ軽いので持ち運ぶという点においてはマシかなと思います。

単焦点レンズが向いている使い方

先ほど紹介したメリットからもわかるように、単焦点レンズを使うのに向いているのは暗い場所での撮影や、背景をぼかしたいときです。

室内だとズームレンズでは十分な光を取り込めなかったりしますが、単焦点レンズなら室内でも綺麗に撮ることができますし、夜に外で撮るときもわずかな光をより多く取り込むのに適しています。

また、背景をぼかしたいときには欠かせませんね。

ポートレートや物を撮るとき、被写体を浮かび上がらせるように、背景がふんわりボケさせて撮ることで、雰囲気のいい美しい仕上がりになります。

僕が使っている単焦点レンズ

キャノンのEOS8000Dは本格的にカメラを始めたい人におすすめ』にも書いていますが、カメラはキャノンのEOS8000dを使用しています。

そのため、単焦点レンズもキャノンの物を選びました。

Canonの単焦点レンズEF50mmF1.8STM
僕が使っているのは、「Canon EF50mm f/1.8 STM」という単焦点レンズです。

コストパフォーマンスがよく、綺麗な写真が撮れるのでおすすめです。

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キャノンの単焦点レンズEF50mm F1.8 STMについて

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