昔の人々が熊野三山(熊野那智大社・熊野本宮大社・熊野速玉大社)へお参りするために通っていた道を「熊野古道」といいます。
熊野古道には色々なコースがあるのですが、初めて熊野古道を歩く人には、大門坂から熊野那智大社と那智の滝を目指して歩く道が比較的短くておすすめです。
距離は2.7kmで、標準的な歩行時間は約1時間ほど。
他のコースだと2,3時間歩くのも普通なので、このコースは初心者にとってはいいかと思います。
距離は短くても、大門坂は美しい石畳の道で、昔ながらの面影が今も色濃く残っている場所ですし、熊野那智大社や那智の滝も必見のスポットで見所満載です。
大門坂
大門坂のコースを歩くなら、まず車かバスで大門坂駐車場に行きます。
大門坂駐車場から200mほどのところに大門坂の入り口があって、そこから熊野那智大社・那智山青岸渡寺・那智の滝を目指します。
大門坂は世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部で、日本三大古道のひとつ。
昔、坂の上に大きな門があったことから、「大門坂」という名がついたのだとか。
ちなみに日本三大古道の他の2つは、奥野細道(東北~中部)・中仙道(信州~中部)です。
日本の道100選にもなっています。
那智山まで杉並木と石段が600m以上も続く熊野古道の大門坂を登っていきます。
歩き始めてすぐ振ヶ瀬橋(ふりがせばし)というのがあるのですが、この橋は那智の聖域と俗界とを分かつ橋という風に言われています。
つまり、霊場への入り口のようなもの。
橋を渡ると大門坂茶屋があって、平安衣装をレンタルしたり、記念撮影を行うこともできます。
大門坂茶屋も過ぎると2本の大木がありますが、
これは夫婦杉といって、なんと樹齢800年。
ここからは本格的に石畳の階段を登っていくことになります。
少し歩くと、熊野九十九王子最後の多富気王子跡があります。
九十九王子(くじゅうくおうじ)とは、熊野古道沿いにある、昔熊野修験者が参詣者の守護を祈願して置いたもの。
以下、多富気王子跡にあった説明書きの一部を紹介します。
熊野参詣道中辺路にある最後の王子社です。
おそらく峠の神仏に「手向け」をした場所で、それがいつしか王子と呼ばれるようになったと思われます。
ただし、王子の名は中世の記録には登場せず、江戸時代の地誌類にみられます。
江戸時代には社殿がありましたが、明治十年に熊野夫須美神社(現、熊野那智大社)の境内に移され、跡地だけとなりました。
ひたすら杉並木に挟まれた石畳の道を進みます。
途中には樹齢800年の楠の木があったり、
「唐斗石」といって、小石をのせて願をかけるところがあったり、
昔、通行税をとっていた「十一文関跡」という場所がありました。
熊野那智大社・那智山青岸渡寺へ
熊野古道をさらに登っていくと、
一度駐車場に出て、そこからはお土産店や食事処が立ち並んでいます。
その道を通って行くと那智の滝へ行けるのですが、先に熊野那智大社と青岸渡寺に行きました。
熊野那智大社へは、そこからさらに階段を登っていかないといけません。
階段を登っていけばそのうち着きます。
熊野那智大社は、熊野速玉大社・熊野本宮大社とともに熊野三山の一つになっているところ。
縁結びの神社としても知られています。
熊野那智大社のすぐ横には那智山青岸渡寺もあるので、ここもお参りしとくといいです。
三重塔と那智の滝がきれいに見える写真スポットもあります。
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『熊野那智大社と那智山青岸渡寺は古くから多くの参詣者が訪れている』
那智の滝
青岸渡寺から眺めていた写真スポットから那智の滝へと向かいます。
三重塔の横を通って那智の滝に向かって参道を歩いていくと一度車道に出て、再び石段の道。今度は下ります。
何人か平安衣装を着ている人を見かけました。
もう一度車道に出ますが、すぐ飛瀧神社の鳥居があります。
さらに奥に進んでいくと、那智の滝があります。
那智の滝は飛瀧神社のご神体です。
また、栃木県の華厳滝、茨城県の袋田の滝と共に日本三大名滝の一つでもあり、とても有名な滝です。
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大門坂〜熊野那智大社・那智の滝コースまとめ
大門坂から始まり、熊野那智大社・那智の滝を目指すコースは、他のコースと比べて短いけど、見所はたくさんあるし、熊野古道の雰囲気もしっかり味わえます。
それに坂や階段ばかりなので距離のわりにけっこう疲れます。
最初に標準歩行時間は1時間といいましたが、お土産屋さんに寄ったり、ご飯を食べたりしていると、2〜3時間はかかるかなと思います。
初めて熊野古道を歩こうと思っている人で、熊野那智大社や那智の滝など有名な観光スポットを見ておきたい人にはおすすめのコースです。
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