コーヒーの味は基本的に苦味・酸味・キレ・コクで決まりますが、この記事では酸味の成分について、酸味の強いコーヒー豆にはどのようなものがあるか、酸味を強くするためのコーヒーの淹れ方について紹介します。
コーヒーの酸味成分とは
コーヒーの酸味成分として知られているのは以下の3つ。
- キナ酸
- クエン酸
- 酢酸
キナ酸
キナ酸はコーヒーの主な酸味成分で、生豆の状態からカフェ酸という成分と結合して存在しています。
この酸味成分はコーヒー豆全体でみるとおよそ5〜10%ほど含まれています。
クエン酸
クエン酸もキナ酸と同じく、生豆に含まれている成分。
よく聞いたことがある成分名だと思いますが、コーヒーにも含まれているんです。
コーヒー豆の水分が減少するにしたがってクエン酸は増加するのですが、焙煎によって熱分解されて減少してしまいます。
焙煎に関しては後にも出てきますが、焙煎しすぎるとその分、酸味成分であるクエン酸が少なくなるということです。
酢酸
最後に酢酸について。
この成分は生豆のときには存在していない成分なのですが、焙煎をすることによって生豆に含まれている小糖類からつくられます。
焙煎という過程で生成される成分にもかかわらず、焙煎しすぎるとクエン酸と同じように、熱分解で減少していきます。
酸味成分も苦味成分と同じく、もともと生豆に含まれているものもあれば、焙煎やドリップという過程でつくられるものもあります。
また、脂質が酸化すると酸味が生まれるので、豆の鮮度には十分注意してください。
酸味が強いコーヒー豆の種類と焙煎度
コーヒーの味は焙煎度によってかなり左右されるのですが、酸味も焙煎の仕方によってかなり変わります。
酸味が強いコーヒー豆として知られているのはキリマンジャロやモカが有名。
キリマンジャロ
キリマンジャロのコーヒー豆は名前のままですが、キリマンジャロ山域で生産されたものです。
育った場所の標高が高ければ高いほど質が高く、強い酸味や甘酸っぱい香りが特徴です。
モカ
モカもキリマンジャロと同じく酸味が強いコーヒー豆。
強い酸味に加えてフレッシュな香りが特徴的です。
モカのなかでも、エチオピア産のコーヒー豆を「モカハラー」といい、イエメン産のコーヒー豆を「モカマタリ」といいます。
浅煎りローストの豆が酸味が強い
『コーヒー豆の焙煎(ロースト)について!焙煎度は8段階もある?』でも書いてあるように、コーヒーの焙煎には全部で8段階あります。
深煎りだと苦味が強くなるのと反対に、浅煎りだとその分酸味が強くなります。
これは浅煎りの段階だとクエン酸やリンゴ酸といった、酸味をつくるための有機酸がまだたくさん残っているためです。
酸味の強いコーヒーが好きな人は浅煎りのコーヒー豆を選ぶといいでしょう。
スペシャルティコーヒーもフルーティーで飲みやすく、個性的な酸味が特徴的なので、酸味好きにはおすすめです。
酸味は淹れ方でコントロールできる
コーヒーのドリップはただ豆を挽いてお湯を注ぐだけでなく、淹れ方次第で味がかなり変わってきます。
苦くなるか酸味が強くなるかというのも、どのように豆を挽くのか、お湯の注ぎ方によって違います。
酸味を強くしたい場合は、粗挽きのコーヒー豆を使って、お湯を入れるときは少し低めの温度のお湯を素早く注ぎます。
粗挽きのコーヒー豆を使う
細かく挽いたコーヒー豆を使うと苦味成分がたくさん抽出されてしまうのですが、粗く挽いたコーヒー豆を使うとコーヒーは薄くなるので、酸味が出やすくなります。
苦味成分を出すときは多めの量のコーヒー豆を使うといいですが、酸味を強くしたいときは普通ぐらいの量、もしくは好みに合わせて少なめにしてもいいかと思います。
低い温度のお湯を早く注ぐ
お湯の注ぎ方ですが、90℃以下のお湯で淹れると酸味が少し強く感じると思います。
また、お湯を注ぐスピードに関しても、苦味を出すときはゆっくり注ぐのと反対で、なるべく早く注いで抽出することで、苦味よりも酸味が強くなります。
酸味の強いコーヒーが好きな方はこういったことを参考にコーヒーを淹れてみてください。
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