WEBの本

『ノンデザイナーズ・デザインブック』デザインを学ぶ人のための良書

著者:Robin Williams(翻訳:吉川典秀)
出版社:マイナビ
発売日:2015/6/15

デザインのおすすめの本として紹介されているのをよく見かけたのが『ノンデザイナーズ・デザインブック』という本。

元々はRobin Williamsさんという方の著書で、それが日本語に訳されてさらに新しい章も追加されているという、新装増補版をデザインの勉強を始めた頃に買いました。

この本はまだデザインを勉強していない人でも、デザインレイアウトの基礎が学べる本で、デザインの原則や考え方、テクニックが身につく良書と呼ぶにふさわしいロングセラー本です。

デザイン4つの基本原則

デザインにおける4つの基本原則。これがこの本の一番メインの内容なのですが、筆者は良いデザインには必ず4つの基本原則にもとづいてつくられていると言っています。

その4つの基本原則が、近接・整列・反復・コントラストのこと。それぞれがどういうものか簡単にご説明します。

近接

まずは近接。たとえばグラフィックデザインでもWebデザインでも、載せる情報(要素)がありますよね。

それらの情報はばらばらに配置するのではなく、関連性の高いものは近づけてグループ化し、関連性の低いものは離すという原則です。

近接は情報の組織化に役立ちます。

整列

次に整列です。一番わかりやすいのは、左揃え・中央揃え・右揃えを統一すること。

特に左揃えか右揃えにすると、端にまるで見えない線で整列しているかのような洗練された配置になるのが実感できると思います。

そのように要素を整列させていくことで、それぞれの要素に結びつきが生まれます。

反復

小見出しの文字色は全て同じ色にしたり、同じアイコンを何度も繰り返し使うことを反復といいます。

今挙げたのはほんの一例で、反復させるものは書体でも大きさや形でも、視覚的な要素だったらなんでもOK。

反復の原則を作品全体を通して用いることで一体性が強まります。

コントラスト

最後にコントラストですが、文字の色や大きさ、太さ、形、書体などに差をつけることで、要素の類似性をなくし、異なる要素がそれぞれ違う要素なんだと表すのが目的です。

コントラストをうまく使えれば見た目の印象も大きく変わりますし、情報の構造もよりいっそうわかりやすくなります。

これら4つの原則はどれかだけをやっても意味がなく、当然どれか1つが欠けても意味がありません。

4つの基本原則すべてを意識してうまく使う必要があります。

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活字のデザイン

本書では活字の種類やコミュニケーションを強化するための活字の使い方についても書かれています。

活字の種類は、欧文と和文によっても異なります。

おそらく和文書体の内容が、本書で新たに加わった章ではないかと思います。元々は英語で書かれていた本で活字のことに関しては欧文のタイポグラフィーだけについてしか触れていなかったはずなので。

翻訳するにあたって、日本向けに和文書体の内容も補足として載せられたんだと思います。

欧文書体も和文書体も、基本的な活字カテゴリーが6つほど紹介されています。

たとえば欧文だとセリフ書体やサンセリフ書体、和文だと明朝体やゴシック体など。聞いたことがある書体も多いはずです。

あと、活字のコントラストについても書かれていますが、4つの基本原則で紹介したコントラストと似たような感じです。

文字のサイズ・太さ・色・形・構造・方向などでコントラストをつけ、情報をわかりやすくしましょうという内容。

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デザインを学ぶ全ての人が読むべき良書

よくこの本が良書だと紹介されていますが、本当におすすめの本だなと感じました。

わかりやすく解説されていて、デザイン初心者でも理解しやすい内容ですし、デザインには必須の知識が身につきます。

この本を読めば、他の作品を見たときの見方も変わると思いますし、自分がデザインする上で意識すべきポイントもわかるようになります。

※楽天市場の方は、新装増補版ではありません。

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