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『デザインの教室』手を動かして学べるデザイントレーニング本

著者:佐藤 好彦
出版社:エムディエヌコーポレーション
発売日:2015/4/21

デザインを学ぶためには、手を動かすことが欠かせません。

頭の中でデザインイメージを作り出すだけでは、デザインは上達しないのです。

スポーツと同じです。たとえば、野球のピッチャーが速く投げるイメージを頭の中でしているだけでは、実際に球は速くなりません。

イメージも大切ですが、何回も練習することが一番大切です。

野球のようなスポーツと違って、デザインは伝える内容が必要になるので、いざトレーニングをしようと思っても、どういう風にトレーニングしたらいいのかわからなくて難しいんですよね。

僕もデザインの専門学校を出ているわけではないので、最初何をすればいいのかわからなかったです。

この本には、デザインのトレーニングをするための課題が用意されてあるので、実際に手を動かしながらデザインについて学べるのでおすすめ。それぞれ解説も詳しくされているので、とてもわかりやすいです。

デザインの考え方や法則

最初にデザインの基本的な考え方や法則が書かれています。

デザインをする上で大切なのは、そのデザインに根拠があるかどうか。

なぜそのデザインであるのか説明できる必要があり、難しいテクニックを駆使してデザインすることが高度なデザインなのではなく、意図を伝えるためにわかりやすさ重視でデザインをすることが必要なのだと。

また、『デザイン4つの基本原則はデザイナーではない人も知っておきたいこと』の記事にも書いた、デザインの法則についても紹介されています。

要素を揃えることはデザインの基本であり、何度も繰り返す反復の原則を用いることで法則が強調されること。異なる要素のコントラストがデザインをわかりやすく、そして魅力的にすることについて説明されています。

図形や色によるトレーニング

線・面・円・斜め・書体など、あらゆる要素を使ってのトレーニングや、色を理解して配色方法などを学べるトレーニングが用意されています。

線という要素ひとつとってみても、つながりを示したり、内容を強調させたり区別したり、いろんな役割を持っていて面白いなと思いました。


グリッドでのレイアウトだったり、


コントラストについてだったり、色々デザインのボキャブラリーを増やすことが、デザインの上達には必要だと思います。


また、色に関しても、最初は少ない色でレイアウトを行うところからはじまり、徐々に色数を増やしながら、調和のとれる配色方法ができるようになります。


色はやはり大きな印象を与える大事な要素ですし、デザインのなかでどのように機能させるかが重要だなと改めて思いました。

実践的なレイアウトを学べる

図形や色のトレーニングはあくまで基礎。それらの知識やテクニックを応用して、文章・写真などのコンテンツを使ってページのレイアウトの練習をします。


文章組みや見出し、書体、行間、文字の大きさ、写真を生かしたレイアウトなど、色々勉強になります。

まとめ

デザイン経験を増やすことだけでなく、視覚的な表現としての論理をどのように組み立てるかが重要で、それはトレーニングすることによって養われます。

本書は、『ノンデザイナーズ・デザインブック』と同じく、デザインを学ぶ人にとって、デザイン力の土台をつくるうえでの良書だなと思います。

なによりわかりやすく説明されているのが良い。

理論と実践をバランスよく学べますし、デザインを始めたい人のためのトレーニングブックです。

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